617 親友は見た
|ω・)ジー
数日しか離れてなかったが、自宅というのはやはり恋しくなるものだと常々思う。だからという訳ではないが、鍵を開けてから、なんとなく音を立てずにドアを開けるのは決して悪戯心とかではない。
中に入ると、靴は2人分あった。雅人と水瀬さんだろう。
そっと中に入ると、ソファーで雅人を膝枕している水瀬さんを発見した。
「亜矢、重くないか?」
「大丈夫だよ、雅人くん」
「すまんな。無理言って」
「ううん、私も雅人くんに膝枕するの好きだから」
・・・なんだ、ただのリア充か。
会話からして、雅人が膝枕を水瀬さんに頼んだのだろう。
実にラブラブで結構。
そんな視線に気づかずに水瀬さんは雅人の頭を撫でてから微笑んで言った。
「なんか、いつものカッコイイ雅人くんも好きだけど、こうして甘えてくる雅人くんも可愛くて好きだなぁ・・・なんて」
その台詞に雅人が照れてるのがなんとなく分かった。というか、水瀬さん天然でこれなのが恐ろしい。
「水瀬はどっかの誰かと同じで不意打ちが多いからな」
同じく陰から見ていた遥香がそう呟く。はて、誰のことやら?
「・・・亜矢」
「はい」
「・・・何でもない」
「ふふ、そうですか」
・・・凄い。イチャイチャの威力が大きすぎる。親友のこんな姿を見るとは・・・長生きはするものだな。
そうして何気なく視線を動かした水瀬さんは・・・俺と視線があってフリーズする。
「ん?健斗か?」
フリーズした水瀬さんの代わりに雅人が気づいて声をかけてきた。でも、水瀬さんの膝から離れる気配は無かった。
「そうだよ、ただいま。留守番ありがとうね」
「気にするな。こっちも楽しめたからな」
「お土産買ってきたから、後で渡すね」
「サンキュー」
そんな会話の間に復活したのか、水瀬さんが赤くなりながら動揺しはじめた。
「あ、あの、その、これは、えっと、そのぉ・・・うぅ、ま、雅人くん・・・」
「落ち着け亜矢。健斗達もよくやってるから」
「事実かもだけど、それで落ち着ける気はしないね」
知り合いにイチャイチャしてる所を見られたのだ、普通は取り乱す。ましてや、水瀬さんはイチャイチャを見せつけるタイプではないから、尚更恥ずかしいだろう。
俺も、あまり見せつけるタイプではないので、気持ちは分かる。
恥ずかしがる水瀬さんが、可愛いのか、雅人は先程の不意打ちの借りを返すように水瀬さんの頭を撫でていた。そんな光景に遥香はくすくすと楽しげに笑っており、千鶴も興味深そうに見ていた。うん、そのリアクションは流石ですな。




