616 弟の帰還
本家終了
「じゃあ、兄さん」
「うん、気をつけてな」
海斗達も母さんへの墓参りが終わり、帰ることになったので、祖父との別れが済んだ後にこうして弟を見送るのだった。
「お義兄様、今度また伺わせて貰います」
「うん、いつでも来てよ。次会う時は多分赤ちゃん生まれてるだろうし、2人にも顔みて欲しいかな」
「はい、将来の勉強の意味でも是非に」
相変わらずグイグイくる義妹に苦笑していると、海斗は心配そうに聞いてきた。
「でも、あんまり無理しないでね?」
「大丈夫だって。それより姪に会いにきてあげてよ。絶対可愛いからさ」
「おじさん、おばさん、ばいばい」
現に、今いる姪である千鶴はめちゃくちゃ可愛いので、海斗もその可愛さに少し当てられてるようだ。我が娘は母親に似て魅力的だから仕方ないだろうけどね。
「愛香、元気でな」
「お義姉様も、赤ちゃん生まれたら色々教えてくださいね」
「出産に関しては大丈夫だろうが、子育ては健斗に聞けよ?」
「分かってます。お義兄様お願いしますね」
なんか、この調子だと卒業してすぐに子供出来そうな気もするが・・・でも、海斗のことだし、生活が安定してからの方が有り得そうだな。甥か姪が見れるのはもう少し先かもなぁ・・・まあ、それはそれで楽しみにしておこう。
「分かった。分からないことあったら、海斗が嫉妬しない程度に連絡くれれば教えるから」
「大丈夫です。メッセージの履歴は海斗くんに見てもらいますから」
「・・・別に嫉妬なんてしないけどさ」
うーん、でも好きな人なら、嫉妬することくらいあるだろうしね。
「・・・まあ、とにかく。あんまり無理しないでね、兄さん」
「分かったよ」
「うん、じゃあまたね」
「お義兄様、お義姉様、千鶴ちゃん、ではまた」
そうして2人は駅の方に向かうのだった。
「・・・さて、私達も帰るとするか」
「ですね」
「にしても・・・弟が幸せそうで良かったな」
「ええ、あの子なら海斗のこと安心して任せられそうです」
「ちーちゃんが嫁に行く時もそう言えるといいな」
「・・・努力します」
まあ、そう言いつつ、千鶴が選んだ人なら納得するだろう。あんまり斜め上の人種だったら戸惑うだろうが、一緒にいて幸せなら俺からとやかく言うつもりはない。でも、そうか・・・生まれた子が女の子なら、千鶴と2人嫁にやるダメージが増えるのか。まあ、男の子でもしんみりするだろうが、親離れして望んだ相手と幸せになれるなら、喜んで送りだそう。
でも、今はまず無事に生まれてくれればそれ以上は望まないよ。元気で育て幸せになって欲しいものだ。




