606 花火をしよう
しましょ
「ちーちゃん!花火しようよ!」
「はなび?」
夕飯を終えてから、瑠美さんは一度部屋に戻ってから、市販の花火のセットを持ってきて千鶴を誘っていた。
「そう!結構多いの買ってきたんだ〜。健斗くんも一緒にやろうよ」
「いいですね」
我が家だと、やれる場所が限られるけど、この辺ならいくらでもできる。千鶴に手持ちの花火をやらせるのは少し危ないかな?なんて過保護な気持ちはあるけど、振り回すようなことも、それをしそうなやんちゃ坊主もいないし大丈夫だろう。
「遥香もどう?」
「私は最後の線香花火の時にでもお邪魔するよ」
確か、少量ならそこまで花火の煙も害はないらしい。確かにその辺が妥当かもしれない。
「お義母さん達はどうされます?」
「ふふ、私達は部屋の中から見てるから、外で存分にやるといいわよ〜」
「そうだね」
「ごめんね健斗くん。僕もまだ飲んでるから」
「いえ、ゆっくりしててください」
颯太さんも久しぶりでお義父さんと飲みたいのだろう。飲めない遥香が少し不満そうだけど、俺も遠くないうちにこの輪に入ることになるのだろうか?まあ、俺としては給仕したり、千鶴と遊んでる方が楽しいが、付き合いで飲むこともあるのだろか?
・・・専業主夫なのに付き合いで飲むってのも何か変だな。
同窓会とか、親戚の集まりくらいか?巽家では飲まないだろうけど。祖父には悪いけど、母や祖母の近くだし、ある程度自制したい気もするのだ。黒羽家では・・・まあ、出来るだけ飲まない方が良さそうかな?
遥香も、『成人して飲むなら自宅で、私の目の届く範囲で。あと、ちーちゃんが寝てから』と過保護に言われてるし。
「ほら、ねずみ花火とか色々あるんだよね〜」
「へー、豪華ですね」
そんなことを思いつつ、瑠美さんに花火の中身を見せて貰うが、かなり高価な物のような気が?昔、海斗と自宅で花火した時にはあまり量のないものだったけど、派手な音と色と煙で楽しかったのだけは覚えてる。
・・・それと、服に染み付く煙の匂い。
花火とはなんとも楽しい娯楽だが、キャンプでの焚き火のように煙という悪魔も付いてくるからなぁ。千鶴の服も花火した後はしっかり洗濯しないとね。
バケツに水を用意して、外に向かう。まあ、俺が唯一の男手だしこのくらいは当たり前だろう。場所は皆が寛いでるリビングから見える庭で行う。そこなら、煙が中に入ることもないだろうしね。ウキウキしてる千鶴を見てると、持ってきてくれた瑠美さんには感謝しかないのだが、それはまた後で伝えよう。




