601 女性は恋話を好む生き物
恋バナ
「あ、健斗くんお帰りー」
玄関に入ると、外の暑さが嘘のようだった。やっぱり文明の力は凄いものだと思っていると、タイミングよく瑠美さんが出迎えてくれた。
「ただいまです」
「おばあちゃんの所だっけ?マメだねー」
「大切な家族ですからね」
コミニュケーションと取るのは当然だし、可能なら仲良くしたいのだ。
「本当に、そのマメさなら他の子とも上手くやれそうだったのにねぇ」
「いや、他も何も俺は遥香以外にモテたことありませんが・・・」
「そう思ってるのは本人だけかもねぇ〜」
含んだような言い方の瑠美さん。いや、俺にそんなフラグ的なものは一切ないのだが・・・それらを持っているとすれば雅人辺りなら配り歩くほどに持ってても不思議はないか。今は水瀬さんにベタ惚れだけど。
「あ、そういえば薫ちゃんのお兄さん・・・雅人くんだったよね?その子の彼女に花嫁修業つけてるって本当?」
「どこ情報かは分かりませんが、一応正解ですね」
水瀬さんは確実に赤面するから本人の前では言わないが、事実上の花嫁修業だろう。
「ブーケトスもその子だったよね?この前健斗くん達と家族ぐるみで旅行も行ってたし順調そうだねぇ」
「まあ、親友に春が来て俺としてはホッとてますよ」
「あれ?でもかなりイケメンさんだよね?・・・って、ああ、なるほど」
どうやら、瑠美さんもイケメン過ぎる親友に察してしまったらしい。まあ、あの親友の場合、純愛は水瀬さんが初めてなので色々もどかしいが、応援もしたくなるものだ。
「うーん、でも私は健斗くんの方が可愛くて好きかな?」
「気持ちは嬉しいですが、わざと遥香を煽るのは止めてください。後で可愛がる時間が長くなりますから」
近くで聞き耳してる遥香がいて言うのだから、相変わらずな人だ。
「でも、嬉しいでしょ?」
「否定はしませんが、折角なら義家族との交流も深めたいので程々で」
「ふふ、まあ、そうだね」
黒羽家の女性陣は相変わらずのようで何よりだ。まあ、瑠美さんに関しては水瀬さんと同じく遥香の息抜きに付き合って貰ってるし、義家族の中では1番頼ってるかもしれない。
結婚前から、ずっとお世話になりっぱなしなので、いつか恩返ししたいところだが・・・『じゃあ、育児手伝わせてね。可愛い姪を愛でたいからね』などと言われるそうなのが目に見えるので、機会を伺うしかないな。
思うに、俺は周りの人に恵まれていたから、その人たちの分まで2人・・・いや、3人を幸せにしたいものだ。




