592.5 友達からのお祝い
「ちづるちゃん、おめでとうですわ」
「おめでとー、ちづるちゃんがまっさきにとしうえになったねー」
そんな風にお祝いの言葉を言う2人。レナは1月が誕生日で、香奈はその次の2月が誕生日なので、千鶴が1番早いのは仕方ないだろう。
「ありがとう。れなちゃんのおうちでおいわいしてもらってすごくうれしい。ありがとう」
「べ、べつにかまいませんわ」
恥ずかしそうにするレナ、そんなレナのいつも通りの反応を微笑ましく思っていると香奈は言った。
「それにしても、ちづるちゃんとおとうさん、やっぱりまえよりなかよくなってるよね」
「そうかな?」
「うん、ほいくえんでもおもったけど・・・よびすてになってから、ますますそうおもう」
確かに、あの日、結婚式で娘になって欲しいと言われてから、千鶴と健斗は前よりも近くなったように感じていた。
「あ、そうそう、これわたしからのぷれぜんと」
そう言って香奈が渡したのは、健斗が千鶴を抱き上げて笑っている写真だ。おそらく保育園での光景だろう。
「まあ、うちのままとのぷれぜんとかな?あまりにもなかよしだから、とっちゃったらしいけど・・・」
「わぁ・・・!すごくうれしい!ありがとう、かなちゃん」
「それならよかった」
そんな風に微笑んでから、香奈はレナの腕を引っ張ってから千鶴の前に突き出して言った。
「ささ、つぎはれなちゃんのばんだよ」
「ちょっ・・・」
「はやくしないと、しんゆうがかなしむよ?」
「〜〜〜!わ、わかってますわ」
すぅ、はぁ、と息を吸って吐いてからレナは千鶴にプレゼントを渡した。それは、レナの鞄に付いてるのと対になる缶バッチだった。決して高くないものだが、可愛くて千鶴も好きだったのを知ってたレナが母親に頼んで買ったものだ。
「い、いかがで・・・」
「わぁ!れなちゃんのとおそろいだね!すごくうれしい!ありがとう」
あまりにも嬉しくてレナを抱きしめた千鶴。そんな千鶴の無邪気な行動にレナはびっくりしつつも、嬉しそうに笑みを浮かべていた。そして、そんなレナの顔を見てニマニマしていた香奈を見つけたレナが若干睨むが、千鶴を振りほどくことはせずに黙って受け入れていた。
そんな風に、百瀬家でのお祝いは和やかに過ぎていくが、千鶴としては用事があって昼間のお祝いには来れなかった母親である遥香も一緒に来れればもっと嬉しかったと思うのだった。
まあ、健斗がそんな千鶴の気持ちにも気づいており、色々と画策するのだが、そんな父親がますますカッコよく見えるのは仕方ないことだろう。




