592 百瀬家でのお祝い
千鶴ちゃんおめでとう!
「「ちづるちゃん、おたんじゃうびおめでとう!」」
8月15日、本日は千鶴の誕生日だ。家族でのお祝いは夜にするとして、昼間である現在は百瀬家にて、千鶴の友達とお祝いをしていた。1番の親友である、レナちゃんと最近親しくしてる香奈ちゃんの2人だけだが、夏休みでお盆近くなので仕方ない。
レナちゃん達も、千鶴をお祝いしたら実家に戻るらしいしね。
そして、そんな楽しげな子供達の邪魔をしないように、俺たち大人組は料理を作ったりしながら話していた。
「今日は娘のためにありがとうございます」
「いえいえ、千鶴ちゃんはレナの1番の友達みたいですから。当然のことですよ」
「ウチの娘もすみませんねぇ」
レナちゃんママとは何度も会ってるが、香奈ちゃんママとは実はあんまり話したことはなかった。とはいえ、最近は多少話もしてるし、話せないこともないが。
「それにしても、千鶴ちゃんのお父さんはお若いのにお料理上手ですね」
「そうですか?まあ、昔からやってますので」
「去年まで高校生だったんですよね?確か担任だった奥さんと結婚したと聞きましたが」
「ええ、俺が一目惚れしまして」
興味深そうに聞いてくる香奈ちゃんママ。レナちゃんママには何度か話してるが、楽しげに聞いていた。
「じゃあ、千鶴ちゃんのお父さんから告白を?」
「ええ、プロポーズも俺からです。まあ、主夫希望のおかしな学生を拾ってくれるのは妻くらいでしょうけど」
嘘は言ってない。確かに、最初の提案は遥香からだったけど、惚れたのは俺だし、プロポーズも告白めいたことも俺から言ったはずだ。そもそも、進路希望調査に主夫希望と書いたのは俺だし、やっぱり俺が遥香にベタ惚れなのだろう。
「素敵ですねぇ・・・千鶴ちゃんのことは大丈夫だったんですか?」
「それも含めて惚れたんです。それに俺は娘と本当の親子に、家族になりたくて娘にもそう告白しましたから。ただ、やっぱり娘が俺の事を頑張って受け入れてくれたからこそ、そうして叶ったんですが」
お兄ちゃんからパパに呼び方が変わったことは今でも感慨深いものだ。まあ、普通に考えて俺みたいな奴を新しい父親として千鶴が受け入れてくれたからこそ、家族になれたのだろうとも思う。
怖かったはずなのに、受け入れてくれる優しい娘。だからこそ、幸せになって欲しいものだ。
気づけば、俺はそんなことも少しばかり語っていたが、ママさん2人は笑わずに聞いてくれていた。こういう人達だからこそ、千鶴の友達も優しいのだろう。そんなことも思いつつ子供達のために色々と料理を作るのだった。




