590 結婚とは
哲学
「とりあえず、今まで通り苗字は斉藤にするでござる」
数分考えてからあっけらかんとそんなことを言う斉藤。まあ、本人がいいならいいけど。
「けんちゃん的には、離婚ってどう思うでござる?」
「離婚?まあ、人の事情は様々だからね。結構あっさり結婚出来る世の中になったからこそ、そういうこともあるんでしょ」
恋愛も結婚も自由になったからこそ、そんなこともあるのだろう。良いイメージはないけど、無理して子供にまで迷惑かけるならいっそ別れるのが子供やお互いのためでもあるだろう。
ま、その前に同棲なりして相性をしっかり確認しろとも言いたいけど・・・結婚後に本性出してDV男になる例もなくはないし、難しいところか。
「まあ、けんちゃんは離婚はないでござるか」
「俺が遥香に捨てられなければね」
「あの先生を見てそれを想像するのは少し難しいでござるな」
「そう?」
「結婚式でも思ったけど、ラブラブすぎるでござる。子供の前でもあんな感じなのでござるか?」
「うーん、どうだろうね」
とは言いつつ、ある程度の分別はつけている。もちろん、2人とも愛でるけど、ちゃんと嫉妬しないようにペースを守ってるし、多分大丈夫だろう。
「後学のために教えて欲しいでござるが、義理の両親との挨拶はどうでござるか?」
「まあ、大切な娘さんを貰うわけだし、多少は緊張するけど、本気をぶつければ多分大丈夫だよ」
「本気とは?」
「分かってて聞いてるでしょ?」
「雨の中で義理の父親の投げたボールをホームランして、地面に土下座して『娘さんを俺に下さい!』とかいう感じでござるか?」
どこかで聞いた・・・いや、見たようなシチュエーションだけど、そのくらいの本気は見せるべきだろう。
「斉藤も結婚する時は教えてよね」
「そうするでござるよ。その前に雅人でござるか?」
「あれ?知ってるの?」
「ブーケトスを水瀬さんが受け取ってたでござるからな」
ああ、なるほど。確かにそれを目撃した人もいるよな。
「俺の予想だとそう遠くないうちに籍を入れそうだけどね」
「今はけんちゃんの元で花嫁修業中でござるか?拙者の彼女もお願いするかもしれないでござるな」
「いいけど・・・あんまり遥香とか千鶴に悪影響ないようにね」
「任せるでござる。拙者がプロのオタクに育てるでござるよ」
「はっ倒すよ?」
別に、オタクを悪くいうつもりはないし、否定もしない。けど、無理に洗脳するのは感心しない。本人が望んでその道に行かないのなら、無理強いさせたくないのだ。




