588 夏のゆったりとした1日
ゆったり
夏休みとはいえ、去年ほど色んなところに行くこともなく、俺達は家でゆったりとしていた。遥香の妊娠もあるが、新婚らしくのんびりするのもいいだろう。
決まってる予定は、お盆に黒羽家と巽家に顔見せに行くことと、夏祭りくらいかな?あまり人混みに連れては行けないが、地元の小さな花火大会なので、そんなに危険もない。遥香の息抜きには丁度いいだろう。
千鶴が近くでお絵描きをしている中、2人でぼーっとテレビを眺めるのもなんとも言えない平和感があった。やることは沢山あるが、遥香と一緒に過ごせる時間も大切にしないと。
「なあ、健斗」
「なんですか?」
「デートしたいな」
そんなことを言ってくる遥香。気持ちは分からないでもない。
「時間作って今度行きましょうか。千鶴とも別に時間を作って3人の時間も確保しましょう」
ここで、3人でデートなんて言うほど野暮ではない。ちゃんと家族と夫婦の時間を別に作ることは忘れてはならない。
「なら、瑠美に頼むか」
「毎度毎度、申し訳ないですけどね」
「多分、放っておいても向こうからやってくるぞ」
「あー・・・まあ、瑠美さん優しいですからね」
「暇なんだろうな」
特に、子供が生まれたら瑠美さん、お義母さん、巡李さんはめちゃくちゃ訪ねてきそうな気がする。お義母さんは距離的に多くはなさそうだけど、瑠美さん巡李さんは十分有り得るだろう。
千鶴の小学校入学と、新しい家族のお祝い・・・祖父母としてお義父さんとお義母さんが張り切る姿と、曾孫のためにお祖母様とお祖父ちゃんが頑張る姿が目に見える。
父さんは・・・どうだろ?そこまで心配してないけど、孫はやっぱり可愛いだろうし、ちょくちょく構ってそうな気がする。そう考えると、育児する立場としては恵まれてるのかもしれない。
「予定日だとこの子は私と同じ月に生まれる予定らしいな」
「楽しみですね」
「次の子はお前かちーちゃんと同じ月になるかもな」
「11月か8月ですか、それはそれで面白いかもしれませんね」
あと数日で、千鶴の誕生日だが、そんな会話をするくらい余裕はあった。俺も遥香も今年の千鶴の誕生日プレゼントも準備も既に終えており、後は当日を待つのみ。可愛い娘の誕生日はしっかり祝わないとね。
「少し眠くなったから、膝枕してくれ」
「はい、どうぞ」
こうして膝枕するのにも慣れたものだ。そのうちお絵描きをしていた千鶴も羨ましくなって2人とも膝枕することになったが、これも慣れたもので、2人を愛でることを堪能できたのだった。




