587 アイス半分こ
夏無性に食べたくなるあれですw
「ふにゅう・・・」
「お疲れ様」
週一とはいえ、ピアノと水泳の習い事はやはり幼い千鶴には大変らしく、今日も頑張って泳いだから疲れて俺が抱っこしていた。夏場でも冬場でも屋内プールで泳げるというのが、水泳教室の利点とも言えるだろう。
日焼けも気にせずに済むし、まあ、千鶴や遥香は少し赤くなる程度なので、そこまで心配はしてないけど、女の子だから肌は大切にしないといけない。
そんな訳で、こうして千鶴を抱っこして帰り道を進むが、夕方頃になると涼しい風邪が吹くので助かる。今年は思ったよりも涼しい日が今のところ続いているが、夏だけあって暑い時は暑い。
「千鶴、アイスでも買ってこうか」
「あいす!」
相変わらず反応のいい娘が可愛くて微笑ましく思いつつ、近くのコンビニに寄ってアイスのコーナーを眺める千鶴。すると、いつもなら少し迷うはずなのに、千鶴はとあるアイスを見つけてそれを手に取った。
所謂、2人で分けられるアイス・・・2本のアイスの棒で半分に分けると丁度2人分にできるそれを手に取って千鶴は控えめに聞いてきた。
「これ・・・ぱぱといっしょにたべたい・・・」
「もちろん、いいよ」
そう言うとパァっと顔を明るくする千鶴。なんだこの可愛い生き物は。まあ、少し量は少ないけど、こういうアイスを食べたい気持ちは分かる。
俺は・・・確かお祖母ちゃんと海斗と何回か食べたかな?
お会計をして外に出るとすぐにアイスを取り出す千鶴。上手く割れるか、見守っていると、力加減を間違えて、片方だけ短くなってしまった。当然、千鶴はしょんぼりしてから、長い方を俺に渡そうとしてくるが、俺は微笑んでもう片方の短いやつを渡して貰う。
「ぱぱ、それ・・・」
「いいんだよ。次はもっと上手く出来るように頑張ろうね」
「・・・!うん!」
また食べれると分かって嬉しそうに頷く千鶴。まあ、いつまでこのコンビニにこのアイスがあるか分からないけど、こんなに喜んでくれるなら、なるべく通うとするか。
ソーダの味がなんとも爽快で、俺と千鶴は2人でゆったりと食べる。こういう時は千鶴に『ママには内緒だよ?』と言うと嬉しそうに頷くのでそれも忘れたりはしない。
買い食いくらい、遥香は怒りはしないけど、仲間外れとか嫉妬しそうだし、後で別のアフターケアを行うのは忘れない。嫁と娘にバランスよく愛情を注ぐのは夫と父親の務めだしね。
「おいしいね」
頑張った娘へのご褒美だけど、こうして幸せそうな顔を見てるのが俺にとってご褒美すぎてヤバいな。うん、やっぱりウチの娘マジ天使。




