579 親友のお礼
お礼
甘ったるい雰囲気のまま、2人でお風呂・・・なんて、展開も予想していたが、そうはならず、本日は女性陣は一緒に入るそうだ。
てっきり雅人と入るものだと思っていたが、まあ水瀬さんなら安心して2人を任せられるので俺は特に心配せずにあと片付けをしていた。
明日には帰ると思うと、少し寂しいような気もしなくはないが、なんだかんだでゆっくり出来たので良かった。
そんなことを思っているとテレビを見ていたはずの雅人が飲み物を取りに来た。冷蔵庫を開けながら雅人は言った。
「・・・サンキューな」
「ん」
軽く返事をしておく。
「というか、このタイミングは卑怯だったよな」
「ヘタレてた己が悪い。水瀬さんの勇気に感謝しなよ」
「・・・分かってるって。言ってみただけだ」
「ならよし」
にしても、思った以上にラブラブカップルになったものだなぁ・・・そのうち惚気とか普通に聞けそうだし、コーヒーの準備をしておこう。
「雅人」
「なんだ?」
「・・・良かったね」
余計なお世話だけど、やっぱり親友には幸せになって欲しかったから、そう思う。
「・・・お前も、新婚と子供頑張れよ」
「出来ることは全部やるよ。可愛い我が子に会いたいし。もちろん、千鶴も遥香も大切にしないと」
「・・・そういえば、覚えてるか?薫がまだ小さくて家族にあんまり俺が構って貰えなかった時も、お前随分と色々してくれたよな」
「そうだっけ?」
子供が生まれるとなると、やっぱり歳が幼い子供はどうしても放置気味になってしまう。
ウチは、海斗と俺がそこまで年齢差ないし、俺は弟可愛かったから気にならなかったけど、普通の子供なら少し嫉妬するのかもね。
それに、俺は家族のために色々していたから、寂しいなんて感じる余裕は無かったのかもしれない。でも、他人がそう感じる気持ちも分からなくはない。友達の何人かにはそういう人もいたし、雅人も・・・あんまり覚えてないけど、薫ちゃんが小さい頃は少しそうだったはずだしね。
「お前の子と俺の子が結婚したりしてな」
「その場合、うちの子が女の子だったら、俺は号泣かな。絶対美人になるし」
「親バカだな」
「お前も親になれば分かるよ」
「今は、恋人で十分だよ」
「あっそ、結婚式にはちゃんと呼んでよ?」
「まだ先だろうがな」
そうかな?案外近い気もするけど。
あー、でも男の子でも結婚式の時は泣くかも。可愛い我が子の結婚だし、泣かない自信がない。
女の子は号泣、男の子でもウルっと最低でもするだろう。




