577 ラブシーンの裏側
ラブ
「あれ?水瀬と中条はまだなのか?」
夕飯の時間になり、遥香と千鶴を呼んでくると、2人がまだ来てないのかと訊ねてきた遥香。きっと、今頃水瀬さんが勇気を出してるだろうし、無粋なことはしたくないので俺は言った。
「2人はもう少ししたら来ますよ。イチャイチャしてからでしょうし」
「ふーん。まあ、いいが」
「ぱぱ、みてみて」
「お、上手だね。流石千鶴」
「えへへ」
雨で暇な時間を使って、お絵描きをしてたみたいだが、この年頃にしては相当上手いと思う。身びいきなしにそう思えるので、やっぱりこの子は色々と才能に恵まれてるのだろう。
俺の場合は弟のために母親のお腹の中に才能類は全て置いてきたので、低スペックな兄貴だが、その分を努力して家事スキルを手に入れたのだが、まあ、弟が幸せならいいかな。結果、俺もこんな低スペックなのに拾ってくれた大好きな人がいる訳だし。
「あした、かえるんだよね?」
「そうだね。雨降ってばっかりで退屈だったでしょ?ごめんね」
「ううん、ぱぱとままといっしょですごくたのしいよ」
健気なことを言う娘に涙腺が緩くなる。なんか年々涙腺が緩くなっていくけど、これは愛妻と愛娘が可愛すぎるから仕方ない。
「まあ、私も楽しかったかな。少しお前と中条とが一緒の時間の方が長く感じたが」
拗ねてるように見えて、拗ねてはないパターンだ。多分、拗ねてはないけど、何かして欲しいのだろう。全く、可愛い嫁だなぁ。
「今日は腕枕しますから、それで許してください」
「ん、ならいいが」
「いいなぁー」
「千鶴もいいよ」
「ほんとに?わーい♪」
ただ、腕枕すると朝起きた時に2人から上手く抜け出して朝食の準備をするのが大変なんだよねぇ。両手が痺れて普通なら抜け出せないが、長年の研究でなんとか起こさずに抜け出す秘策を見出したので、そこはそう問題はない。ある意味奥義と言ってもいいだろう。片方ならそう難しくもないけど、2人だからねぇ。
さてさて、向こうは上手くやってるといいけど。順調すぎてそのまま1R始めたら夕飯が遅くなるから先に食べることも考えないとな。雅人の愛がどのくらいなのかにもよるけど・・・今まで見たことないくらいベタ惚れだから、心配は無用かな?
遥香とのことでは色々世話になったし、親友には幸せになって貰いたいものだ。親友の彼女にも、遥香が世話になってるしね。思えば、親友の彼女に料理を教える日がくるとはねぇ・・・高校時代ならまず有り得なかっただろう。いい変化は祝福しないとね。




