573 午後の一時
まったり
お昼を食べた後、千鶴は持ってきた本を読んでおり、遥香達は3人でテレビを見ていた。まあ、雨がかなり降ってるのでやる事が無いのだろう。俺も家事がほとんど無いので、暇つぶしに持ってきた刺繍と編み物をしていた。
「巽くん、編み物も出来るの?」
交互にやっていると、そんなことを聞いてくる水瀬さん。興味があるのか覗いてくるが、続けながら答えた。
「一応ね。そこまで難しくはないよ」
「凄いなぁ・・・あのさ」
「いいよ」
「え?」
「教えて欲しいって言うんでしょ?雅人に作ってあげるといいよ」
そう言うと恥ずかしそうにする水瀬さん。
「そっちは・・・刺繍?」
「うん、簡単な柄だけどね」
「本当に多芸だねぇ・・・」
「主夫としてはこのくらいはね」
まあ、そう言いつつ半分趣味だが。お小遣い稼ぎにもなるしね。あまり長時間働けない時にはこうして内職に近いものをするといい時間潰しになるし。
「水瀬、健斗は女子力高過ぎるからあんまり気にしなくてもいいと思うぞ」
「女子力は止めてください」
「他に表現が難しいからな。料理、家事全般、裁縫に子育てスキルも高くて、手先が器用。本当に妙な才能ばかりあるからな」
まあ、必要だったしね。そこは仕方ない。
「そういう男はお嫌いですか?」
「馬鹿言え、大好きに決まってるだろ。まあ、お前限定だけどな」
「ありがとうございます」
そんなやり取りでも水瀬さんは少し恥ずかしそうだった。まあ、他人のイチャイチャって少しいたたまれないからねぇ。水瀬さんは雅人ともっとイチャイチャしてもいい気はするけど、これも本当にお節介だしね。
「しかし、降るなぁ」
かなりザァザァと雨は降っていて、外に出る所ではなさそうだ。まあ、この後買い物しないとだから自然と俺はこの雨の中出掛けるしかないのだが。
「ずっと中にいてもやる事ないしな」
「まあ、たまにはのんびりするのもいいですよ。遥香は普段働き詰めですから」
「そうか?」
「そうです。なので、たまにはのんびりしましょう」
普段から頑張りすぎているのでこういう休日もたまにはいいだろう。それにしても、雨音聞いてると少し眠くなってくるんだけど、どうしてだろう?
千鶴が文字の比率が多めになってきた本を面白そうに読んでいるので充実しているみたいだ。雅人はテレビを見ながら脱力してるのである意味満喫していた。まあ、この2人はそうかもしれないな。千鶴も仕事とかするようになったら遥香みたいに頑張りすぎるかもしれないので、恋人か夫には気をつけて貰わないと。
・・・少し複雑にも思えるけど、そこはなんとか我慢する。




