566 朝の支度
朝
朝、いつもの時間に目を覚ます。環境が変わっても、遥香と千鶴が俺に抱きついているのは変わらなかったが、2人ともぐっすりと寝ててホッとする。
着替えて下に降りる。夜に少し雨でも降ったのか、地面が少し濡れてる気もするが、そのうち乾くだろう。そう思って皆が起きる前に朝食の支度を始める。
遥香と千鶴は朝はパンの方が好きだから、それに合わせるように作る。雅人と水瀬さんは和食・・・というか、朝はご飯と味噌汁がいいからそちらを作ることも忘れない。
「ふぁ・・・おはよう、巽くん」
そして、最初に起きてきたのはやはりというか、水瀬さんだった。まあ、順番的には多分雅人が最後だろうね。
「おはよう、水瀬さん。早いね」
「巽くんよりは遅いよ。でも、いい匂いだね」
味噌汁を味見用に小皿に移してそれを味見する水瀬さん。
「わぁ・・・美味しい」
「雅人はこれくらいが好きだから、覚えておくといいよ」
「巽くんって、本当に中条くんのこと何でも知ってるね」
「まあ、親友だしね」
とはいえ、これからは、水瀬さんが1番何でも知ってて欲しいものだけど、あまり心配はいらないかな?
「あれ?雨降ったのかな?」
「かもしれない。昨日は2人はどのくらいに寝たの?」
「えっと・・・その・・・」
「・・・OK、言わなくても大丈夫だよ」
うん、きっと夜頑張ったのだろう。無粋なことは聞くべきじゃないな。
「先生と千鶴ちゃんは朝強いの?」
「うーん、まあまあかな?遥香は仕事の関係で起きるけど、千鶴はたまに寝ぼけて台所まで来るから」
「ふふ、本当に仲良しなんだね」
「1年以上の付き合いだからね。それに、親子だし」
年の離れた兄妹にも見えそうなのがまだまだ辛いところだけど、もう少し大人の男になりたいものだ。まあ、この童顔じゃ仕方ないし、気にしててもしょうがないよね。
「子供かぁ・・・赤ちゃん生まれたら、大変そうだよね」
「その分楽しみでもあるよ。娘だったら、嫁に行く時に悲しくなりそうだけど」
「ふふ、巽くんもそんなこと考えるんだね」
「まあ、男親ならではの悩みかな?母親でも息子が可愛くて辛いって人は少数でもいそうだし」
「あー、確かに」
まあ、赤ちゃんの頃から可愛がってた子供の結婚ってなかなか心にくるものがあるしね。それでも幸せになれる人と出会えて結婚出来たなら、こんなに嬉しいことはない。父親として複雑でもやっぱり祝いたくはなるのだろう。
そんな感じで水瀬さんと話しながら俺は朝食の準備を進めるのだった。途中、要所要所で、雅人の好みを教えるのを忘れなかったのは頑張ったと思う。




