564 トランプ
ダウト
バーベキューも終わり、はしゃいで疲れた千鶴を寝かしつけて下に行くと、遥香と雅人と水瀬さんは3人でトランプをしていた。
「ん?ちーちゃんは寝たのか?」
「ええ、ぐっすりですよ」
「そうか、お前もやるか?」
「いえ、近くで見てますよ。何か飲みますか?」
「んじゃ、コーヒー・・・は、ダメなのか」
「はい、麦茶ですよね?」
「・・・じゃあ、それで」
今日は既に一杯飲んでるので特に制限のない麦茶を選択させる。
「雅人と水瀬さんは?」
「俺はコーヒーでいいぞ」
「えっと、私は紅茶が・・・でもいいの?」
「うん、任せてよ」
紅茶はあまり淹れないけど、美味しい淹れ方は巡李さんに習ったから大丈夫だ。3人の飲み物を準備して戻ると、水瀬さんがババ抜きでボロ負けしていた。
「水瀬は顔に出るからな」
「だな」
「うう・・・」
「まあまあ、元気だして」
「ありがとう、巽くん・・・あ、美味しい」
「それは良かった」
2人も美味しそうに飲んでるのでまあ、良しだろう。
「そういえば、巽くんは普段千鶴ちゃんとトランプとかするの?」
「ん?いや、しないよ」
「え!そうなの?」
「というか、千鶴は俺とは勝負事してくれないからね」
「ちーちゃんは健斗とは戦いたくないからなぁ・・・」
だから、そういう遊びは遥香としかしてくれない。やるとしてと俺が千鶴の味方じゃないとダメらしい。
「先生とはするんですか?」
「まあ、あんまり普段は構ってやれないけど・・・たまにな」
「うーん、なんていうか、本当に巽くんって千鶴ちゃんに愛されてるんだね」
「愛娘だしね」
それにこの位の年頃なら、異性の親に懐くのは当たり前だろう。男は一生マザコンで、女の子は人によってファザコン。それが常識とも言える。
「あ、でも遥香と千鶴とは運要素があるゲームは止めた方がいいよ。ボロ負けするから」
「確かに今ボロ負けしました・・・」
それは単純に水瀬さんが分かりやすいからだろうけど・・・まあ、言わない方がいいか。
「あと、ダウトとかもかな」
「それはお前限定だろうな」
「そうなんですか?」
「愛する夫だからな」
そういうこと堂々と言うところがまた、可愛んだけど・・・流石に2人の前でイチャイチャする訳にはいかずに誤魔化すことにする。
「遥香はお風呂まだでしたよね?一緒に入ります?」
「あれ?巽くん、さっき千鶴ちゃんと入ってなかった?」
「ここのお風呂大きいから少し心配でね」
「ふふ、ラブラブなんですね」
くすりと笑う水瀬さんと、ニヤニヤしている雅人。雅人の方を殴りたくなるのは仕方ないだろう。




