546 過保護な祖父
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「のう、健斗。何か欲しいものはないかの?」
なんとか時間を空けて、俺は1人で母さんの墓参りに巽家本家まで来ていた。夏休みにはどうせ3人で来るが、その前に1度来たかったのだ。
そんな中で、お祖父ちゃんにも結婚式でのお礼を言おうと立ち寄ると、そんなこと最初に聞かれた。
「いや、特には・・・どうかしたの?」
「ワシ、可愛い孫に何もしてないからのう・・・」
「そんなことないでしょ?お祝い貰ったし」
「じゃが、ワシだけ遥香さんの妊娠知らなかった・・・」
それでそんなこと聞いてきたのか・・・いや、お祖父ちゃんの場合あまりウチに来ないからなんだけど・・・まあ、言っても納得して貰えないか。
「じゃあ、久しぶりにお祖母ちゃんの話聞かせてよ」
まだ、時間もあるしそう提案する。すると嬉しそうにお祖母ちゃんの話をしはじめるお祖父ちゃんなのだが・・・実際この手の話はもう何十回も聞いていてある程度暗記してるレベルなのだが、まあ、機嫌を直して貰うには丁度いいか。
そのまま2時間くらい話をしてから、丁度昼時になったので、俺はついでにお祖父ちゃんの昼ごはんを作ることにした。
「やっぱり、健斗のご飯は美味しいのぅ」
「そう?」
「うむ、懐かしい味がする」
まあ、俺の料理の師匠はお祖母ちゃんと巡李さんだからね。それは懐かしい味にもなるのだろう。
「時に、健斗よ。遥香さんと千鶴ちゃんとは上手くいってるのか?」
「まあね。夫婦関係は円満、千鶴に関しては俺は本当の娘だと思ってるよ」
「そうかそうか。血の繋がりがないと色々周りもうるさいかもしれないが・・・」
「大丈夫だよ。そんなの気にならないくらいに、愛でるから」
俺の場合1年かけて仕込みをしたから周囲から予想以上の反論は出てない。まあ、それでも時々奇異の目で見られることはあるが、そんなの気にする必要もないし、千鶴も気にしてないから大丈夫だろう。
「それより、お祖父ちゃんも大丈夫?前ほど様子を見に来れてないけど・・・」
「枯れたジジイに何も起こらんよ。まあ、詐欺まがいの電話はくるがな」
「それ、大丈夫なの?」
「案ずるな。大抵息子か孫を騙っておるが、息子ならたとえ本当でも手は貸さないし、ワシの可愛い孫がこの程度のことで電話をしてくるわけないと分かっておるからの」
父さんとは相変わらずか・・・まあ、逆に幸いなのかな?たまにそういう電話を本気にしちゃう人もいるけど、この人に関しては全く心配する必要がなかったと思い出した。まあ、今更だけど。




