542 結婚式10
1人だけ大泣きして喜んでいたお祖父ちゃんには触れない方がいいだろう。遥香の妊娠にも気づいてなかったようで、「曾孫が増える!」と嬉しそうに泣いていた。というか、孫息子の結婚式でここまで泣ける人がいるのに少しビックリした。
まあ、それでもこういう人だからお祖母ちゃんも結婚したのだろう。少し思い込みが激しいけど、素直なのはいい所だろうし。
遥香のオタクな友人水橋さんとノーマルな朝比奈さんにも祝われて遥香はくすぐったそうにしながらも嬉しそうにしていたので良かった。
「健斗おめでとう」
「巽くん、先生、千鶴ちゃんおめでとうございます」
そして、最後に挨拶するのは最近普通の恋愛に目覚めた我が親友の雅人とその彼女の水瀬さんだ。
「ありがとう、ブーケ受け取ったからにはちゃんと責任取れよ?」
「初めて聞く台詞だが・・・まあ、そうだな」
その言葉に照れる水瀬さん。純愛してるようで何よりだ。2人にもお世話になったということで贈り物を贈る。水瀬さんには可愛いエプロン。そして雅人には・・・
「んで、俺にはこれか」
「ここでは出すなよ。後で存分にイチャイチャしながら渡せばいいさ」
雅人に渡したのはペアのマグカップだ。どうせその手のことしたくても出来てないだろうから切っ掛け作りに渡したのだ。
「なら、これは俺たちからだ」
そう言って渡してきたのは花束だった。色とりどりの花達だが、俺はその中心に添えられたカードを見て裏返して驚く。いつの間に撮ったのやら、俺と遥香と千鶴の3人が仲良く写ってる写真。
そういえば、2人の写真はそこそこあっても俺が一緒なのは少ないような気がすると今更ながら気づいた。
「お返しだ。お前のことだから、自分のこと忘れてそうだしな。これからは家族写真も大切にしろよ」
「・・・そりゃ、どうも」
人のこと言えた義理ではないか。まあ、こういうこと気づかせてくれるから親友なのだろうけど。
「あの、私もこれを」
私達からと言いながら別で写真立てもプレゼントしてくれた水瀬さん。こういう気が使えるのは確かに凄いかもしれない。
「ありがとう」
「巽くんと先生にはいつも中条くんのことでお世話になってるから・・・本当にありがとう」
「だな、精々幸せになってくれ親友」
「そっちこそ、さっさと結婚式してしまえ親友」
その他にも後から他の人にプレゼントを貰って持ち帰れるか不安になるレベルだったけど・・・そんな感じで披露宴は色んな人にお祝いされるのだった。
花嫁姿の遥香に可愛いドレスの千鶴に皆内心ホッコリしていたのは共通だろう。




