518.5 デレ健斗
「ちーちゃん、すまんな」
「ううん、ままとかいものたのしかった」
所用で2人で買い物に出掛けていた遥香と千鶴。微笑ましく2人で手を繋いで健斗の待つ家へと帰宅すると、いつもならすぐに出てくるはずの健斗が出てこなかった。
「ただいまー・・・って、いるなら、返事くらいしろよ」
ボーッとしている健斗にそう言うと健斗は遥香を見ると少し赤くなった顔から笑みを浮かべて遥香に抱きついてきた。
「ちょ、いきなりだな・・・ひゃ!」
「あむあむ」
突然抱きつかれたことに驚いたのではない。昼間から首筋にキスされたことで反応してしまったのだ。
「ちょっ・・・ちーちゃんの前で・・・んぅ!」
濃厚な口付けに遥香は抵抗出来ずにうっとりとしてしまう。そんな遥香から唇を離して今度は千鶴の方に向かう健斗。千鶴を抱きしめると驚く千鶴に健斗は物凄く嬉しそうに言った。
「ちーちゃんは本当に可愛いなぁ・・・うちの娘マジで可愛い!」
「ぱぱ?」
「うん、ちーちゃんのパパですよー」
「えへへ・・・」
抱っこしてからギュッと抱きしめる健斗に千鶴は嬉しそうに微笑む。自分のあだ名で呼ばれるのとこうしていつもよりストレートに好意を伝えてくる健斗に嬉しくなったのだ。
「な、なんだこれ・・・」
そんな光景に座り込んだ遥香はキョトンとしていたが、ハッと、机の上を見てから何故なのか理解した。
「ウイスキーボンボン・・・しかもなんだこの数」
余裕で10箱以上は食べてるので遥香は健斗が酔ってるのだと分かった。確かに大量に貰ってきたとは言ってたが・・・
「遥香しゃん、ぎゅっー」
千鶴を存分に愛でてから今度は遥香を抱きしめて甘えてくる健斗。いつもなら自分が健斗に甘えてるのにこうして嬉しそうに甘えてくる健斗が遥香はたまらなく可愛く思えてしまってつい、状況を忘れて撫でていた。
「えへへ・・・遥香しゃん大好き」
健斗はいつも遥香の前ではカッコよくあろうとしていた。生来の気質もあって甘やかす健斗がこうして甘えてくるのが遥香は本当に愛おしくなってきてしまう。不可抗力でも甘やかしてしまうが・・・やはり、そこは健斗なので、いつの間にか2人を愛でるようにいつもよりさらに母性を発揮していた。
幸い夕飯の支度は済んでいたようだが・・・その後健斗が寝るまで遥香と千鶴はエンドレスで愛でられてしまうのだった。なお、その後、巽家ではウイスキーボンボンは秘密兵器として成人式までは時々重宝されるようになるのだが・・・そのことを健斗は知らないのだった。




