510.6 お弁当タイム
昼食の時間になると、それぞれレジャーシートを広げて親しい友人と昼食をとることになる。それは千鶴達も例外ではなく、可愛いキャラもののレジャーシートを広げて集まってお弁当を開けようとしていた。
「きょねんのちづるちゃんのおべんとう、すごかったよねー」
「そうでしたの?」
「うん、ぽけごんのおべんとうですごかったの」
まだ、あまり親しくなれてなかった頃だが、健斗は精一杯、所謂キャラ弁を作ったのだ。それがめちゃくちゃクオリティーが高く、結構有名だったのだが・・・レナはその当時は千鶴とはあまり接点が無かったので知らなかったのだ。
「ことしはどんなのかなぁー」
気がつくと他の子供達も少し気になってるのかこちらの様子を伺ってるように思えた。まあ、とはいえ千鶴、レナは注目されるのに慣れてるというか、普段から目立ってるのであまり気にならないが・・・唯一、容姿は普通な香奈は察していたりする。
千鶴としても、今朝お弁当の中身までは見せて貰えなかったので少しだけドキドキしながらお弁当箱の蓋を開けて・・・驚く。
これまた気合いの入ったキャラ弁。なのだが・・・千鶴が先程遊んだアスレチックの恐竜やらUMAやらが可愛くデフォルメされており、健斗の本気を伺えるのだった。
目的がここだと知っていたので、健斗的に思い出せる範囲で再現したりしてみたのだが・・・それでも、かなりのクオリティで皆が注目する中、レナが言った。
「ほんとうに、ちづるちゃんのおとうさまは、おりょうりじょうずですわね」
「うん!じまんのぱぱだからね」
「このあとだと、わたくしのおべんとうもかすみますわね・・・」
レナも一応キャラ弁だが、クオリティの差がハッキリと分かるのだった。しかし、そんなことを気にしない千鶴はキョトンとしてから笑顔で言った。
「れなちゃんだって、ままがひっしでつくったんだよね?だったらすごいとおもう」
「ふふ、そうですわね」
「ぶー、わたしはふつうなのにー、ふたりともずるいー」
そんな感じで千鶴はまたしても有名になるのだった。色んな意味で有名なのだが・・・健斗がその拍車をかけているのは本人も知らないのだった。
まあ、もちろん子供達本人はそんなことは気にせずにお昼を美味しく食べるのだが・・・本当に千鶴の好物でキャラ弁を成立させた健斗の手腕はやはり恐るべきものだと言わざる得ないだろう。本人的にはまだまだ発展途中だろうが、それでも2人が美味しいと言ってくれるお弁当を作りたいとは思っているからだろう。
そしてそれは伝わるもので・・・まあ、千鶴は大層嬉しく美味しく、いただくのだった。




