510 遠足
千鶴ちゃんのターン
「さてと・・・これでよし」
朝、いつも通り遥香さんのお弁当を用意するが、本日は千鶴ちゃんの分もお弁当が必要なので準備をする。いつもは給食だから用意する必要はないんだけど・・・今日は遠足だからね。
昨日も千鶴ちゃんはウキウキしてたので楽しんで来てくれるよう俺も頑張ってお弁当を作った。
「ぱぱ、おはよう・・・」
「おはよう千鶴ちゃん。早いね」
そんなことを思っていたら、珍しく千鶴ちゃんが遥香さんより早く起きてきた。眠そうにしていた千鶴ちゃんだったが、俺の手元のお弁当箱を発見して嬉しそうに近づいてきた。
「ぱぱ、それちーのおべんとう?」
「そうだよ。千鶴ちゃんが好きな物沢山いれたから、楽しみにしててね」
「うん!」
とたとたと着替えと顔を洗いに行く千鶴ちゃん。お弁当だけでこんなに喜んで貰えるのはやっぱりこそばゆいけど嬉しいものだね。まあ、イベント事がないと千鶴ちゃん用に作ることはそんなにないから俺としても楽しいんだけどね。
ふむ、お弁当か・・・
そんなことを考えていると、遥香さんも起きてきたのでコーヒーをいれながら言った。
「おはようございます。千鶴ちゃんはもう起きてきましたよ」
「ああ、知ってる。今日なんかあったか?」
「遠足ですよ。昨日も説明しましたよ。まだ寝ぼけてるんですか?」
「かもしれん・・・キスしてくれ」
「もう・・・少しだけですからね」
俺ってやっぱりチョロいのかなぁ・・・なんか、結局甘やかしてしまう。いや、でも言うべきことはちゃんと言うしチョロいだけじゃないはず。・・・多分。
「あ、まま、おはよう」
「おー、ちーちゃん。おはよう。今日は楽しんできなよ」
「うん!」
いやー、しかし、やっぱり可愛い者同士の会話って見ててほんわかするよね。遥香さんは美人さんだけど俺からしたら可愛いのカテゴリーなのでそこは譲らない。
まあ、俺の前でだけ可愛い顔を見せてくれるからかもしれないけど・・・やっぱりあれは独り占めしたいものだ。性格はあんまり似てない親子のように傍からは見えるかもしれないけど、芯の部分ではやっぱり親子で似てる部分があるのも嬉しいしね。
そんな感じでウキウキする千鶴ちゃんを俺と遥香さんで優しく見守るのだった。あ、ちなみに遥香さんのお弁当も毎日頑張って作ってるさ、もちろん。大切な人の栄養管理も俺の仕事だもの。野菜が苦手な遥香さんや千鶴ちゃんにいかに美味しく食べて貰うかを考えるのはやっぱり楽しいしやり甲斐もあるしね。




