490 少し早い祝福
お酒は20歳になってから(お菓子は別)
「よう、久しぶり」
マックに着くと、何やらこんな時間にハンバーガーを食べてる友人が座っていた。うん、やっぱり吉崎だよね。
「久しぶりってほどかな。仕事はどう?」
「・・・辛い」
「あ、そうなの?」
「ああ・・・女の子居なくて・・・」
一瞬でも心配した俺が馬鹿だった。
「だってさ!皆むさい男であんなの地獄だよ地獄!あぁ、高校時代に戻りたい・・・」
「愚痴なら、今度聞くよ。それで?別に要件があったんじゃないの?」
「ん?ああ、そうだった。ほいこれ、結婚祝い」
何やら重たい袋を受け取ってみると、中身はどうやらチョコレートのようだ。しかもこれは・・・
「何故にこんな大量にウィスキーボンボンが?」
「いやぁ、仕事で発注ミスって買い取ったんだけど・・・食いきれなくてさ。んで、どうせならお前に結婚祝いとして渡そうと思ってさ」
「うーん、有難いけど・・・こんなに沢山貰っても食べきれないかな」
「あれ?黒羽は酒ダメなの?」
「そうじゃないけど・・・」
妊娠中にこんなもの持ち帰るのは嫌がらせになりそうだし・・・千鶴ちゃんに食べさせるにはまだ早い。1人でこんなに大量に食べ切れる自信ないなぁ・・・確かチョコの賞味期限って2,3ヶ月くらいだっけ?まあ、でも・・・どんな経緯でも渡そうとしてくれたのは感謝しないとなぁ。
「分かった。有難く貰うよ」
「そっか。んじゃ、俺の結婚祝いは3倍な」
「バレンタインデーじゃないのに?」
「なんとなく3倍」
まあ、吉崎らしいといえばらしいかな。
「来月、結婚式やるんだけど・・・吉崎も来る?」
今更ながらにそう誘うと吉崎はキリッとした顔で言った。
「悪いが仕事あるから無理だわ。研修とかで来月は忙しいし」
「そっか。なら仕方ないね」
「ま、今度また集まろうぜ!成人したら酒もいいな」
「・・・俺は、家事もあるからほどほどにね」
そうして少しだけ話してから、俺は大量のウィスキーボンボンと夕飯の買い物袋を持って帰路につくのだった。なんか買い物袋よりもウィスキーボンボンの方が重いし量も多くて大変だけど・・・これ、1人でホントに食べ切れるかなぁ・・・
ていうか、ウィスキーボンボンなんてかなり昔に雅人の家で食べて以来だから本当に久しぶりな気がする。でも、変だな・・・割と記憶力は悪くないはずなのに、その当時の、食べた時のことはあんまり思い出せないんだよなぁ・・・唯一覚えてるのは、何故かその翌日、巡李さんと薫ちゃんが妙に嬉しそうだったのと、雅人が疲れきってたような顔をしてたことくらいなんだよね。




