482.5 可愛いものが好き
「これが、ちーのたいせつなぷにゃだよ」
「はむすたーですの・・・かわいい・・・」
部屋に行ってから、千鶴がゲージにいるハムスターのぷにゃを紹介するとまたしても目をハートにするレナ。レナの家ではペットを飼うのは禁止なので、生で見る可愛い動物に心が逸るのだろう。
ゲージから出して手に乗るとレナの手の匂いを嗅いでからちょこちょこ動くぷにゃ。そんなぷにゃにほわーっとした顔をしてから、レナは千鶴の優しい視線で思わず顔を赤くするのだった。
「ち、ちがいますわ。べつにわたくしはみとれてなんて・・・」
「れなちゃん。ちーのまえでかくさなくていいのです」
その言葉にレナは少しだけ俯いて呟いた。
「・・・”くいーん”のわたくしがこんなところみせるのはかっこわるいですわよね・・・」
「そんなことないよ。それに、ちーもかわいいものすきだからおんなじだよ」
「ちづるちゃん・・・」
「れなちゃん、ほかにはすきなどうぶついる?」
「・・・わんちゃんがすきですわ」
「じゃあ、こんどちかくのおうちのわんちゃんさわらせてもらおうよ」
健斗の隠れたコミュ力というか、些細なマメさでご近所付き合いもそこそこ上手くいっている。前にモフモフの犬に千鶴が物欲しそうな視線を向けていたのを察して、飼い主と仲良くなって触らせて貰ったりもしているのだ。
「・・・ほんとうに、ちづるちゃんはふしぎですわね」
「そうかな?」
無自覚な千鶴に苦笑するレナ。レナは普段自分から人と仲良くなるのは苦手な方だ。どうしても余計な言葉が出てしまう。最初千鶴に絡んだのも本気でクイーンなんて称号が欲しいわけではなく、可愛いから仲良くなりたかっただけなのだ。
まあ、千鶴としてもレナは他の友達と話すよりも落ち着くという気持ちはあったりする。何より、健斗のことを話して反応してくれるレナが千鶴としてはとても有難いのだった。大抵は健斗のことを話しはじめるとやっちゃったみたいな顔(まあ、半分の理由は千鶴が健斗のことを語ると長いから)をするのだが、レナは呆れつつも聞いてくれるので本当に嬉しいのだ。
なるべくしてなった・・・なんて言葉が合ってるか不明だが、きっと2人の出会いは運命的なものだったのだろう。親友とはそういうものだ。あるいは健斗の性格的遺伝もあるのかもしれないが・・・楽しそうに話す2人の姿を見ればそんな言葉も必要ないだろう。
楽しそうにぷにゃを可愛がってから、動物の本で語る2人は前よりずっと仲良しになったのだった。そんな感じで午前中は過ぎていく。




