478 妻の特権
特権
「そうか・・・友達が泊まりにくるのか」
その夜、晩酌がなくなってその分早く寝ることが増えたが、すぐに寝れるわけもないので寛ぐために遥香さんを膝枕しながら報告すると感慨深そうに呟いた。
「ちーちゃんもそんな友達が出来たのは嬉しいものだな」
「ですね。まあ、あんまり煩くはならないと思いますが・・・辛かったらちゃんと言ってくださいね」
「おいおい、たかが子供が1人泊まるだけで何かある訳ないだろ」
「そう思いますが・・・こう前置きしないと辛い時遥香さんは我慢しちゃいますから」
そう言って頭を撫でると苦笑する遥香さん。
「本当にお前は私のことなんでも分かるんだな」
「夫婦ですから。当然ですよ」
「でもな、逆を言えば私とちーちゃんもお前のこと誰よりも分かってるんだぞ?」
「そうなんですか?」
「当たり前だ。私はお前の妻で、ちーちゃんはお前の娘だからな」
そんな嬉しい言葉に思わず撫でる手が別の方向に行きそうになるが・・・なんとか踏ん張った。いかんな、なんか俺も遥香さんの影響で肉食系になりつつあったかもしれない。
「一応言っとくが・・・私以外に欲情するなよ」
「しませんよ。ていうか、出来ませんから」
「本当か?」
「意地悪な質問しますね。遥香さん以外を異性として見れませんから。ていうか、知ってて聞いてますよね?」
「まあな。でも、こういう時期は夫が浮気に走りやすいらしいしな」
「妻の辛そうな顔みてそれが出来る奴は男じゃないと思いますけどね」
自分のために子供を宿した妻を放置して浮気するような奴は父親になる資格はないと思う。そりゃ、色々あって疲れてそっち方向にもいきやすいのだろうが・・・それはそれ。まあ、俺も人のこと言えるほど立派な人間ではないけど・・・少なくとも、愛しい妻の側にいたいとは思う。
「まあ、心配してないさ。お前は絶対浮気しないって断言出来るしな」
「ありがとうございます」
「ちなみに、膝枕だろうと一部でも他の女に渡したらそれはもう浮気だからな」
「少なくとも遥香さん以外は千鶴ちゃんしか膝枕したことないですね」
「ならいいさ」
昔は海斗にやってたけど・・・男はノーカンだろう。というか、弟をカウントする必要性がないしね。それに、こうして俺の膝の上で少しでも安らげるなら膝枕することも苦にはならない。まあ、あんまりやり過ぎると後で立てたくなるが・・・うん、やっぱりもう少し正座の練習することにしよう。剣道やってる海斗なら詳しいかな?今度聞こうと思いつつ遥香さんの頭を優しく撫でるのだった。




