471 名前の意味
久しぶりの
「ん?」
それは昼間、家事をしてる時のことだった。携帯から着信音が流れて表示を見ると、父さんからの電話だった。何かあったのかな?
「もしもし?」
『もしもし健斗?久しぶりね』
「先月も会ってるけど・・・うん、父さんはちゃんとご飯食べてる?」
『まあね。でも、たまには健斗のご飯も食べたいわね』
「こっち来た時は作るよ。それでどうかしたの?」
『ええ、少し聞きたいことがあったのだけど・・・』
珍しく歯切れの悪い父さん。なんか聞きづらいことなのかな?
『その・・・今でも行ってるのかしら?』
「どこに?」
『・・・お母さんの実家によ』
本当に珍しい質問に少し驚いてから俺は苦笑して言った。
「前に言わなかったけっけ?」
『ちゃんと聞いてなかったのよ・・・』
「だろうね。一応説明すると、お祖母ちゃんは今施設に入ってるよ。来月会いに行く予定だけど・・・父さんも行く?」
『いえ、それが分かればいいわ。ありがとう』
「そっか、じゃあ俺も聞いていいかな?」
『何かしら?』
「俺の名前って母さんがつけたんだよね?どんな意味とか分かる?」
昔なら答えてくれたか分からない質問。結婚した今なら聞けるかと思って聞くと父さんはくすりと笑って言った。
『確かそうね・・・語呂がいいとか言ってたわね』
「あ、そう・・・」
『あと・・・健康になりますようにって意味があるそうよ』
親として全く同じことを思うのはどの親も同じなのかな?それとも、遺伝なのかと思いながら聞いた。
「海斗は分かる?」
『海みたいな偉大な存在になるようにって。2人目だからかしらね』
「俺とはスケールが違うね」
まあ、事実俺は今のところ大きな病気もなく元気に育ったし、海斗はその才覚を伸ばしているし、母さんはやっぱり預言者なのかもしれないね。
『でもね・・・健斗の時は本当に迷ってたのよ。お母さん体も強くなくて、堕ろすかもって。でも、お母さんが頑として譲らなくって、それで貴方が生まれたの。まあ、こうして貴方と海斗が元気に育っただけで私は嬉しいけどね』
「そっか・・・ありがとう」
老いには勝てないだろうけど・・・少なくとも遥香さんと千鶴ちゃんの前では病気にならないようにしようと改めて決意するのだった。まあ、健斗って名前で病気になったら母さんに申し訳ないしね。語呂が良かったって方は・・・スルーで。俺も桜って名前はある意味言いやすさも候補の理由だったりするし、そこは親子なのかもしれない。まあ、子は親に似るって言うしね。




