472 エコーと予定日
さらっと
「この影みたいなのがなぁ・・・不思議なもんだ」
本日は定期検診で産婦人科に来ていたが、所謂エコー写真というものを生で見ることが出来ていた。小さな影みたいなものがそうだと言われてもピンとこないのだろう。
「でも、元気みたいで良かったです」
「だな。にしても予定日通りなら私と誕生日近くなるな」
本日の受診で一応予定日は言われたが、その予定日は12月の中頃。遥香さんの誕生日が12月24日なので、この子とかなり近いのだ。まあ、予定日は予定日だし、それより早くも遅くもなるのが出産だが・・・何にしても、流産の可能性が低くなってきてホッとしている。まだ油断は出来ないけど、それでもちゃんと生きてるって分かると本当に安心するものだ。
「ちゃんと誕生日別に祝うから大丈夫ですよ」
「クリスマスはどうなんだ?」
「もちろん、ちゃんと別にプレゼント用意しますよ」
「なら、期待して待ってるとするさ」
今日はそこそこ体調が落ち着いてるのか普通に会話出来る遥香さん。まあ、俺としてはここ最近は遥香さんのお世話がいつもより出来るから不謹慎かもだけど嬉しかったりするが・・・それでも、やっぱりこうして元気な姿が1番だよね。
「なんか機嫌いいな。そんなに桜のこと嬉しいのか?」
「それはもちろん。可愛い子供が元気なのは嬉しいですよ」
「そうか、まあこのアウェーな中でそのテンションなのは凄いと思うがな」
周りをチラッと見てそう言う遥香さん。うん、まあ今お会計を待ってるのだが、時間の問題なのか男が俺しか居なかったりするのだ。この前は何人かいたから、やっぱり時間次第だろうけど・・・まあ、この程度なら別に肩身が狭いとは思わなかったりする。
「遥香さんとこの子のためならどこにでも行きますよ。この子が無事生まれてくれるのが今の俺の1番の願いですから」
そっと遥香さんのお腹を撫でてそう言う。
「全く・・・頼りになる旦那だな」
「可愛い奥さんと可愛い子供がいる幸せな旦那でもありますよ」
「煽てても今夜はまだ相手出来ないぞ?」
「この子が生まれてきて元気になるまで我慢するくらい余裕ですよ」
奥さんが大変な時なら夫はそれをちゃんと支えないとね。家族だし、何より好きな人に当然のことをしたいのだ。俺には遥香さんの体調不良を肩代わりは出来ないけど・・・それを和らげて側にいることはできる。それで少しでも遥香さんが良くなってくれるなら何でもするさ。
そんな感じでなんとなく他のお母さんから温かい目線を貰いつつ桜の無事を知れてホッとするのだった。




