463 雑談
色々
「なあ、早速子供出来たのか?」
ガコンと盛大に狙いがズレてゴールからボールが落ちた。やってるのはバスケのゲーム。時間内に的であるゴールにどのくらいボールを入れられるかという定番のゲームなのだが、俺は雅人にジト目で言った。
「どうしてそう思ったの?」
「水瀬は気づいてなかったが・・・実はさっきも子供用品の店で見かけてな。もしかしたらと思ってな」
「なるほど」
少しだけ迷ってから俺はボールを放って答えた。
「ま、かもしれない」
「そうか。おめでとさん」
「わかってるとは思うけど・・・」
「心配するな。少なくともババアには言わない。というか、言ったら確実に余計なお世話するだろうからな」
まあ、ありがたいけど・・・安定期に入るまで油断は出来ないのだ。
「それで?彼女さんが何に悩んでるか心当たりあるの?」
「まあ、予想はつく。が、アイツから言わないと俺にはどうしようもないことと・・・俺がアイツにしていいかわからないことだからな」
「そっか」
丁度俺のターンが終わったので雅人と交代する。雅人は100円玉を入れて俺よりハイペースでボールを放りながら言った。
「なあ、アイツも・・・水瀬もお前らの式に呼んでいいか?」
「俺は構わないけど・・・珍しいこと言うね」
「本当にな。アイツと付き合ってかららしくないことばっかりだ。こんなに長い期間相手を変えないのも変な感じだしな」
「2ヶ月で長いはある意味病気だと思うけどね」
まあ、でも本当に良かった。少し心配してたけど、やっぱり水瀬さんなら雅人と合いそうだ。こいつにしてみれば今までは自分勝手な愛情の押し売りか、見栄のために付き合わされたことが多かっただろうから、こうして心から愛されるのはむず痒いのだろう。
「まあ、それならこっちからも条件。雅人と水瀬さんの結婚式にちゃんと俺たち呼んでよね」
「まだそこまで考えてないがな」
「仮の話だよ。あと、そのシュート決めたらちゃんと水瀬さんに手を出すと誓ってよ」
「・・・バレてたか」
「長い付き合いだしね」
大方、水瀬さんの相談の1つには自分に全く手を出さないということも含まれているのだろう。他のに関しては憶測でしかないからなんとも言えないけどね。
「なかなか難しくてな。1度冗談でホテルの前通ったら顔を真っ赤にしてたから、それ以来なかなか上手くいかなくてな」
「ま、そういうところが好きなんでしょ?だったら、ぱぱっとシュート決めてイチャイチャしなよ」
「分かってるって」
片手で放ったにも関わらずあっさりとゴールに吸い込まれるようにしてシュートは決まった。相変わらず天才で羨ましいものだ。まあ、別に俺は欲しくはないけど。もう遥香さんと千鶴ちゃんで満足だしね。




