462 思わぬ偶然
偶然
「ん?よう、健斗」
買い物が一段落して3人でお昼を食べていると、思わぬところでデート中の親友と鉢合わせになった。
「雅人、水瀬さん。珍しいところで会ったね」
「こんにちは巽くん、先生もお久しぶりです」
「中条と水瀬か。久しぶりだな」
前よりは距離が縮まったようだけど・・・手を繋いだり腕を組んだりはしてなさそうだな。なんか前の彼女連中ならこういう時は絶対にそうしてたから新鮮だ。まあ、偶然かもしれないけど。
「あ、その子が巽くんと先生のお子さん?」
「ああ、うん。千鶴ちゃんだよ。ほら、千鶴ちゃん、挨拶できる?」
「たつみちづるです」
ぺこりと挨拶をした千鶴ちゃんをよしよしと褒めると、猫のように気持ちよさそうな表情を浮かべる千鶴ちゃん。そんな俺たちの様子を見て、雅人は相変わらずだなぁという表情だが、水瀬さんは少し驚いたように言った。
「本当に仲良しなんだね。少しびっくりした」
「そうかな?まあ、家族だしね」
「うん、かぞく」
「そっか・・・あ、そういえば先生。ご結婚おめでとうございます」
「ん?ああ、ありがとう。お前も中条と付き合い始めたんだろ?」
「はい。巽くんのお陰で」
否定したかったけど・・・まあ、遥香さんなら、おおよそ事情を把握してくれそうなのでスルーすることにした。
「あの・・・家族の時間にこんなことお願いするのは気が引けるのですが・・・もし良かったら相談に乗って貰えませんか?」
「相談?私にか?」
「はい。是非お願いしたくて・・・巽くんいいかな?」
「まあ、俺はいいけど・・・デートの方はいいの?」
雅人の方は気にした様子もなく肩を竦めるのだが、水瀬さんは少しだけ申し訳なさそうに雅人に言った。
「中条くん。すぐ済むからいいかな?」
「構わんから行ってきな。俺は健斗とその辺ぶらつくからな」
「分かったよ。千鶴ちゃんはまだ食べてるし、ママと待っててくれる?」
「うん、いってらっしゃいぱぱ」
そうしてその場を任せて雅人と2人で離れるが・・・
「別に俺と一緒じゃなくても良くない?」
「まあ、こんな所じゃ俺はあんまり暇つぶし出来そうにないからな。付き合えよ」
「はぁ・・・まあいいけどさ」
所謂ショッピングセンターなので色々な施設があるのだが、雅人的には見る店はほとんどないのだろう。俺なんかは日用雑貨とか食品コーナーでかなり粘れるし、千鶴ちゃんの可愛い服なんかを見てると、周りからちょっと怪しい目で見られそうだけど、何時間でも時間は潰せるのだ。まあ、たまには色々親友と話すもの悪くないかと、気持ちを切り替えていくのだった。




