458 クレープと相談
クレープ( '༥' )ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
「薫ちゃんは相変わらず甘いもの好きだよね」
「まあね、女の子だから」
俺の奢りのイチゴチョコのクレープを美味しそうに食べる薫ちゃん。そういえば、こうして2人きりで話すのは本当に久しぶりかもしれない。
「あ、女の子といえば・・・健斗くん知ってる?馬鹿兄貴がめっちゃ健斗くんにそっくりな女の子掴まえてきたんだよ」
「まあ、知ってるけどで・・・似てはないでしょ」
まず間違いなく水瀬さんだろう。というか、何故俺と似てる判定なのかマジで疑問だけど・・・
「そうかな?性格は凄く似てると思うよ。まだ手を出してないみたいだし、多分長続きするよね」
なんだかんだで兄のことを思ってる薫ちゃん。まあ、仲良しな兄妹だしね。
「多分ね。相性良さそうだし。そういえば高校生活にはもう慣れた?」
「うん、友達も出来たし楽しいよ。ただ・・・」
「ただ?」
「時々思うんだよね、もう少し早く生まれたら・・・ってね」
「そうなの?」
「うん・・・そしたら健斗くんと同じ学校に通えたのにってね」
少しだけ寂しそうに笑う薫ちゃん。年下ならではの、いや、きっと年の差あるあるなのだろう。俺だって思う時はある。もっと早く遥香さんと出会えて付き合えてたら・・・何が変わるとも思えないけど、きっともっと早くに救えたのにって傲慢にも思ってしまう。
「ねぇ、健斗くん。もしさ、私が絶対に報われない恋をしてて、その恋が絶対に叶わなくて生涯独身でその想いを貫いたら・・・相手は迷惑するかな?」
何かを期待するように見つめてくる薫ちゃん。俺はそれに対して特に悩まずに答えていた。
「しないと思うよ。それで薫ちゃんが幸せなら俺はそう思うよ」
他にもいい男はいるとか、報われる恋がいいとか、気休めは色々言えるけど、結局幸せの形なんて人によって違うだろう。それを勝手に決めつけるようなことは俺には出来ない。それに・・・もし、本当に1人の人のことをずっと想えるならそれが1番尊いと思うしね。
もちろん、人間なんて情が移りやすいのは確かだ。でも、そうして自分の気持ちを貫くのは誰にでもできる事じゃないからね。
「そっか・・・うん、ありがとう健斗くん」
スッキリしたように微笑む薫ちゃん。にしても薫ちゃんにもやっぱり想い人がいるんだなぁ・・・なんというか、兄貴分としては寂しくもあるけど、そういうのも含めて人生だしね。
そんな風に久しぶりに薫ちゃんと色々話してから俺は家に帰るのだった。妊娠のことについては深く聞いてこなかったので本当に優しいと思う。




