448 持ち物の名前
準備
「えへへ・・・どうかな?」
「うん、似合ってるよ」
いつもの通園カバンを背負ってそう聞いてくる千鶴ちゃん。何が違うのか遠目では分からないけど、名前のところが『巽千鶴』に変わっているのだ。
新学期なので、ようやく持ち物も全部名前の修正が終わったのだ。全部統一で『巽千鶴』になっている。それが嬉しいのかはしゃぐ千鶴ちゃんはなんとも可愛いものだ。
「まま、どうかな?」
「ああ、可愛いな。似合ってるぞちーちゃん」
「えへへ」
・・・いや、本当に可愛い。というか未だに名前で喜んでくれるのがこんなに嬉しいとは思わなかった。やっぱり千鶴ちゃん天使かもしれない。いや、やっぱり天使はダメ。うちの可愛い娘です。
「しかし・・・最近は馴染んできたな。パパ呼び」
「ですね、お兄ちゃんだった頃も良かったですが」
「ん?妹萌えか?」
「まあ、いなかったですけど・・・違いますよ。千鶴ちゃんに言われるからこそ嬉しかったんです」
「なんだ、てっきり妹萌えだから瑠美とも仲が良いのかと思ってたぞ」
「あれは・・・どちらかといえば、遥香さんのお陰で仲良しなんですよね」
本当にいつもお世話になってばかりの瑠美さんにはいつかきちんとお礼をしないとね。
「4月か・・・今年は進路希望に主夫なんて書くやつはいなさそうだな」
「そもそも遥香さん担任じゃないですよね?」
「副担になったな」
「んー、まあ微妙なラインですね」
そもそも、俺的にはわりと普通の感性で書いたのだが・・・だって、別に主夫って胸はれない進路ってわけじゃないしね。働く女性を支えるのも大切だと思う。まあ、俺は遥香さんという素敵な人に拾って貰ったが。
「お前が学校にいないのは少し寂しいがな」
「その分家には居ますから」
「ニートみたいだな」
「一応余った時間は働きますよ」
「フリーターか」
「よく次から次に出てきますね」
流石というべきか、俺が咄嗟に思いつかないことを言うのだから本当に凄いと思う。
「まあ、でもお前が家にいるなら安心だな。くれぐれも浮気はするなよ?」
「しませんて。そもそも遥香さん以外を異性として見れませんから」
そんなことを話しながら新年度の準備をするのだった。来年は千鶴ちゃんの小学校の準備で盛り上がりそうなものだが・・・その時は目一杯愛でよう。可愛い娘がランドセルにうきうきする姿とか想像すると本当に笑みが浮かんでしまう。
でも、千鶴ちゃんも来年もう小学生とか早いなぁ・・・ロリコン教師に当たりませんようにと切に願うのだった。




