446 目薬
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「はい、じゃあ差すからね」
「うん」
力を抜いて貰って膝枕した千鶴ちゃんに目薬をさす。変に千鶴ちゃんに頑張って貰うよりこちらからアプローチする方が安定して刺せると海斗の時に学んだことを生かす。
チョンっと目薬が千鶴ちゃんの目に浸透するのを両目確認すると、千鶴ちゃんは何度か瞬きをして言った。
「すこしらくになった・・・」
「それなら良かったよ。薬はご飯の後だけど・・・大丈夫?」
「うん、ちー、ちゃんとのむよ」
「うん、偉いね流石千鶴ちゃんだね」
「えへへ・・・」
この子は薬嫌だと言わないから本当に手がかからないものだ。まあ、まだ俺に遠慮してるという線もなくはないが・・・どちらかといえば我慢している方が強そうだ。薬は我慢だけど、千鶴ちゃんにはなるべく我慢はして欲しくないのだ。だから、我儘も少しづつ覚えてくれるのが嬉しいものだ。
「ぱぱ、おひざすわっていい?」
「もちろんだよ」
膝枕から椅子に早変わりだ。まだまだ小さいけど徐々に背も伸びてる千鶴ちゃん。流石に身長抜かれることはないと思うけど・・・身長ってあんまり遺伝関係なさそうだしねぇ。睡眠時間多いと伸びるって聞くよね。俺は夜は電気代勿体ないから家事がなければ早く寝ていたが・・・まあ、今の子供は夜更かしする理由があるのだろう。
「ぱぱのおひざ〜♪」
「喜んで貰えて何よりだよ」
「ここはちーのとくとうせき?」
「ママもたまに乗るかな。でも、千鶴ちゃんの方が座ってるかもね」
「でも、ちーおねえさんになったらゆずらないとだめ?」
突然の質問に少し驚いてしまう。子供からしたらそういう不安もあるか・・・
「その時は仲良く座ればいいよ。お姉さんだからなんでも譲る必要はない。千鶴ちゃんが弟か妹のためにやってあげたいと思ったらしてあげる。それが1番だよ」
「ぱぱ・・・うん!」
「それにね、お姉さんだって甘える時は甘える。だから、千鶴ちゃんは無理しないで千鶴ちゃんらしくするのがいいとパパは思うよ」
この子の場合は寂しいのも我慢してしまいかねない。だからこそ、こちらからちゃんと気づいてあげないと。子供達全員を等しく見るなんて難しいかもしれないが、それを無茶を承知でやるのが親の務め。
お姉ちゃんだから、お兄ちゃんだから我慢なさいは確かに言い聞かせるには楽だけど、お姉ちゃん、お兄ちゃん以前にその子はその子。結局はバランスだ。自分で可愛い妹や弟に何かしたいと思わないと意味はない。まあ、これも自論だけどね。要するに親が頑張って愛でるのが1番なのだと思いつつ俺は膝の上のご機嫌な千鶴ちゃんを愛でるのだった。




