439 墓参りの前に
だがしかし( • ̀ω•́ )✧
「あ・・・少し寄っていいですか?」
「ん?ここは・・・駄菓子屋か?」
「だがしや?」
首を傾げる千鶴ちゃん。まあ、駄菓子屋ってあんまりないしね。
「まあ、安いお菓子の店だ。にしてもこんなところにあったんだな」
「ええ。昔お祖母ちゃんと来たことがありまして」
ガラガラと古い建付けの悪いドアを開ける。と、昔お祖母ちゃんと来た時と同じように並んでいる品々に少し感動しつつも俺はその奥でテレビを観ているお婆さんに話しかけた。
「お久しぶりです。覚えてますか?」
「・・・んん?もしかして清子さんの孫かい?」
「ええ、そうです」
「大きくなったねぇ・・・清子さんの葬式以来かねぇ」
お祖母ちゃんと同年代のはずだから、お祖母ちゃんも生きてたらこれくらい老けてたのかなぁと少ししみじみしつつも俺は言った。
「ええ、あの時はありがとうこざいました。それで、実は俺、高校卒業してこの度結婚することになったんです」
「まあ、それはおめでとう。そっちの人かい?」
「ええ。妻にそれと娘も出来たんです」
「娘・・・あたしも歳を取ったものだねぇ」
珍しそうに駄菓子を眺める千鶴ちゃんを見てしみじみするお婆さん。
「そうだね・・・何か欲しいのあれば持ってきな。結婚祝いだよ」
「いえ、そんないいですよ」
「いいんだよ。どうせ趣味の店だし。それに清子さんの孫の結婚はあたしも嬉しいんだよ。祝わせておくれ」
「・・・ありがとうございます」
そうして久しぶりに店内を見てみるが・・・手を伸ばすのは昔祖母に買って貰ったものばかりになる。
「ぱぱ、これは?」
「うん?ああ、鈴カステラだね。小さいカステラだよ」
「ぱぱのもってるのはなに?」
「少し酸っぱい梅と、占いチョコだよ」
3つ入った梅三姉妹と、プチプチしてチョコを出すと裏に占いが書いてあるチョコ。よくお祖母ちゃんが買ってくれたものだ。
「遥香さんは・・・イカですか」
「酒のツマミにな」
「あ、ぱぱ!おもちある!」
「小さい餅だね。それも美味しいけど・・・千鶴ちゃんのお祖母ちゃんは苦手だったらしいよ」
母さん的には餅って感じがしないと言ってたな。さくら大根が好きとも言ってたなぁ。さくら大根って駄菓子なのか分からないけど・・・そんな感じで、懐かしみながら駄菓子を選ぶのだった。
お婆さんがいなくなればこの駄菓子屋も潰れてしまうそうだが・・・これからはなるべく来れる時は来るべきかもね。今まで忘れてた分もだけど、千鶴ちゃんも色々楽しそうに見てるし、お金の勉強には丁度いいしねぇ。




