437 孫の催促
定例
「ねえ、けんちゃん。子供は何人つくる予定なの?」
遥香さんにお酌をしていると、そんなことを聞いてくるお義母さん。それに対して遥香さんが呆れたような表情で言った。
「藪から棒になんだ?」
「いえね、ちーちゃんも早く妹が欲しいんじゃないかと思ったのよ。ねー」
「?」
首を傾げる千鶴ちゃん。まあ、でも子供は欲しいところだ。千鶴ちゃんも早くお姉ちゃんになりたそうだし。
「そうですね・・・遥香さんがいいなら、出来るだけ多く欲しいですかね」
「あら?大家族希望?」
「まあ、でも1番は健康に育って欲しいってことですかね。それと・・・出来れば好きな人と幸せに結婚して欲しいですね」
千鶴ちゃんの頭を撫でながらそう言う。よく分からないけど撫でられるのは嬉しいようで笑みを浮かべる千鶴ちゃんを愛でているとお義母さんは微笑んで言った。
「ふふ、暁斗さんとはえらい違いねぇ。この人、子供が出来たら嫁に出したくないって言ってたのよ〜」
「・・・まあ、可愛い娘ならそうなるだろう」
「旦那も似たようなこと言ってたなぁ」
「・・・忘れてよ」
少しだけ気まずそうなお義父さんと颯太さん。まあ、気持ちはわかるけどね。
「あ、でも新しい子が出来たらちーちゃん嫉妬しちゃうかしら?」
「大丈夫ですよ。そうならないように可愛がりますから。それに千鶴ちゃんも早くお姉ちゃんになりたいみたいですしね」
「ふふ、まあけんちゃんなら大丈夫そうねぇ。もし必要ならいつでも呼んちょうだい。孫を可愛がりに行くわよ〜」
「私もいつでもいいよー」
頼もしい言葉に苦笑してしまう。まあ、お義父さんと颯太さんは少しだけ申し訳なさそうだったけど・・・ありがたいにはありがたいしね。
「ありがとうございます。お手伝いが欲しかったらお願いするかもです」
「ところで、男の子と女の子どっちが欲しいの?」
「どっちでも構いませんよ。俺と遥香さんの子供で、千鶴ちゃんの妹か弟です。きっとどっちでも可愛いでしょうしね」
「ふふ、ラブラブねぇ。今夜は私達も頑張ちゃおうかしら〜」
「お、ウチもそうしようかなぁ」
その言葉に旦那方2人は冷や汗を流していたが・・・まあ、遥香さんも少し考えているようだから他人事じゃなさそうだ。そうしてさりげなくと言っていいかわからないけど、孫の催促をされまくるのだったが・・・そんなものが必要ないくらい俺の予想より早く子供が巡ってきてくれることをこの時の俺はまだ知らなかったのだった。まあ、分かるはずもないけどね。




