429 雪の日の涙
春先の雪
「・・・恨むぞ斉藤」
久しぶりの1人の時間。前から斉藤にオススメされていた感動系ゲームのアニメを最後まで観て号泣していた。家族がテーマの作品で、物凄く面白かったのだが・・・雪のシーンが多くて季節感もあって外の大雪を見て思わずそうボヤいてしまった。
春先になりかけてたのにこの雪って・・・もうなんか内容思い出して泣けてくる。妻と娘を雪の日に亡くして最後は超展開で死なない時間軸に戻るのだが・・・本当に結婚した後に観るべきじゃなかったね。俺があの主人公と同じ立場になったら耐えられる自信ないしね。
「それにしても凄い雪だな・・・帰り大丈夫かな?」
千鶴ちゃんの迎えもだけど・・・遥香さんも大丈夫かな?もう少ししたら止みそうだけどとりあえず雪かきはしておかないとな。あ、一応車の運転ももう出来るから迎えもわりと楽に出来そうだ。まあ、まだまだ不安もあるけど・・・使えるものは使わないとね。
雪道はスリップしそうで怖いけど・・・スタッドレスを信じよう。
「みー」
「ん?」
スリスリと足元に擦り寄ってくる子猫のユキ。最近はうろちょろして俺の後を着いてくるようになったが・・・こいつも少しづつ大きくなってるなぁ。
「全く・・・可愛いやつめ」
喉を撫でるとゴロゴロと気持ちよさそうな声を出すものだから可愛くてそのまま撫でてしまう。時々千鶴ちゃんがプチ嫉妬する時もあるから自重はしてるけど・・・なんだかんだで千鶴ちゃんの嫉妬ってかなりレアだから嬉しかったりもする。
遥香さんは・・・まあ、その分夜に可愛がるからわりと大丈夫みたいだ。こないだも大人のおもちゃの店に2人で行って色々買ってきたくらいにはお盛んなので。
「しかし、これじゃあ桜も遅いか・・・」
雪は嫌いじゃなくても、直前に観ていたアニメに感化されてしまうのは仕方ないことだろう。まあ、考えたくもないけどね・・・千鶴ちゃんや遥香さんが俺の元から居なくなるなんて。
そんなことがあれば俺は生きていけるだろうか・・・今の俺の生きる意味全てだしね。
「みゃー」
「・・・わかってる。守ればいいんだよね」
なんとなく慰めてくれているような気がしたのでそんな返事をユキにする。時間までぷにゃをゲージから出して愛でるとするか・・・千鶴ちゃんが頑張って世話をしてるから千鶴ちゃんに1番懐いてるけど、俺にもそこそこ懐いてくれているので可愛いものだ。
そんな感じで俺は空いてる時間を有効活用するのだった。たまにはこういう時間もないとね。




