413 進路希望調査に『主夫希望』と書いたら、担任のバツ一子持ち教師に拾われた件
「よう」
父さんと瑠美さんに千鶴ちゃんのことを任せてから俺は人気の少なくなった空き教室へと来ていた。その場所は1年前に先生に丁度進路希望調査を出してから運命が動き出した部屋なのだが・・・思った通りそこには先生がいた。
「お迎えに来ました」
「友人とかには挨拶は済んだのか?」
「ええ。なので迎えに来たのですが・・・何を見てるんですか?」
「ん?これか?」
椅子に座っていた先生は、その紙をこちらに渡してきたので、見てから思わず苦笑する。
「懐かしいものを持ち出して来ましたね。というか、まだあったんですね」
「ああ。3年目も馬鹿正直にこれを出してきた時は頭を抱えたが・・・そう悪いことばかりじゃないな」
先生が渡してきたのは、春先に俺が書いた進路希望調査表・・・まあ、要するに俺が主夫希望と書いた紙なのだが・・・あの頃は、こんな事になるなんて微塵も思ってなかったから、人生何が起こるかわからないものだ。
「ここから全てが始まったんですよね」
「だな。あの頃は、本当に再婚することになるとは思ってなかったが・・・今はもう、お前以外は考えられないな」
「俺もです」
この1年で俺はこの人のことが・・・先生ーーーいや、遥香さんが本当に大切な存在になった。この人以外には結婚なんて考えられないし、千鶴ちゃんの父親になるのも誰にも譲りたくはないほどだ。
「なあ、健斗」
「なんですか?」
「今でもこの進路希望に変わりはないか?」
手元に戻した進路希望調査表をペラペラしながらそんなことを聞いてくるので俺はそれに微笑んで言った。
「変わりないというか…『黒羽遥香の夫&千鶴の父親』に変更ですかね」
「もう数時間後には私は巽遥香だがな。ちーちゃんも巽千鶴」
「ですね」
「さてと・・・んじゃ、バレないうちにちゃっちゃと婚姻届出しに行くとするか」
椅子から立ち上がってそう言う先生に頷いて、俺は教室を出ようとする。
「健斗」
が、その前に呼ばれて振り向くと同時に、俺は遥香さんにキスをされる。甘えてくるようなその態度に、俺は受け入れつつも優しく返すと微笑んで言った。
「愛してます遥香さん。結婚しましょう」
「ああ。私もだ健斗」
たった1枚の進路希望調査、その中身に書いてあった数文字が俺の運命を決定的に変えた。普通の人とは違うかもしれない。でも、俺は自分の進みたい道を素直に見つけることが出来た。現在は遥香さんの夫と、千鶴ちゃんの父親。そして・・・その前に進路希望調査に書いた内容はこうだ。
第1希望 主夫希望
第2希望 主夫希望
第3希望 主夫希望
結論、主夫希望ということだ。これが俺の進路希望調査の物語の終わりと始まりで、とりあえず高校生編はこれでお終いだ。続きは・・・興味がある人は読むといい。これは俺の大切な人達との物語なのだから。
1年間お付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)mとりあえずこれで健斗の学生としての物語は終わりますが・・・物語はまだまだ続く予定なのでお付き合い頂けると幸いです(*´ ꒳ `*)毎日更新とはいかないかもですが・・・一区切りということで本当にありがとうございました(*^^*)




