408 卒業式1
少し早め
教室に着くと、流石に卒業式当日ということもあっていつもより教室は騒がしかった。皆なんだかんだで卒業式というものにテンションがあがってるみたいだが・・・いつも通り眠たげな親友の雅人を見てホッとする。
「眠そうだね」
「・・・昨日はババアと薫がはしゃいでな」
「あぁ・・・なるほど」
「お前の写真を撮りまくるだろうが我慢してくれ」
「善処するよ」
そうして眠たげな親友と話していると斉藤も登校してきた。
「けんちゃん、雅人おはようでござる」
「おはよう・・・」
「おはよう斉藤。斉藤の所は親御さん来るの?」
「来ないでござるよ。2人とも〆切が近いらしいでござるからな」
斉藤のご両親の仕事が何の仕事かは未だに謎だけど・・・作家とかライターさんとかなのかな?〆切って言ってるし。まあ、でも高校生にもなると来るかどうか微妙になる親御さんも多いだろうしね。ちなみにうちは父さんが卒業式に来るの自体初めてかもしれない。
保育園も、小学校も、中学校も卒業式の時は仕事で忙しくて来れなかったからね。まあ、イベント事に父さんが来ることがほとんどないから本当に下手したら初めて来てくれるのかもしれないけど・・・まあ、それはそれ。
「けんちゃんところは予定通りでこざるか?」
「うん。父さんも来てくれるらしい」
「それは何よりでござる。けんちゃんのお父さんは滅多に見かけないのでレアキャラでござるからな」
「まあ、キャラ的にもレアではあるけど・・・」
案外、父さんなりに気を使ってたのかな?ハーフの存在だと他の生徒や保護者から奇異な目で見られるかもという心配とか?まあ、父さん普通に見たら普通に綺麗な女性にしか見えないから心配なさそうだけど・・・
「おーい、全員揃ってるな。んじゃ、並んで体育館に行けよー」
そんな風に思っているといつも通りスーツ姿の先生が緩く声がけをしたので廊下に並んで体育館に向かう。先生はかなり落ち着いてるが・・・地味に内心うきうきしてるのを見抜けたのは俺くらいだろう。
いつもより朝からテンションが若干高めだったのも知ってるからかもしれないけど・・・やっぱり教え子の巣立ちと、自惚れでなければ俺との結婚が嬉しいのだろう。まあ、俺も卒業式そのものよりも、その後の婚姻届の提出が主ではあるのだが・・・可愛くおめかし出来た千鶴ちゃんを早く愛でたいし、やっぱり早めに終わって欲しいものだ。
そういえば父さんはいつも通り女装して来るのだろうか?まあ、それは行けばわかるか。




