407 卒業式当日
いよいよ
「これでよしっと」
あっという間に卒業式当日、いつも通り制服を着てから俺は千鶴ちゃんの衣装に時間をかけていた。可愛らしいドレスっぽいやつを本日はチョイスしてみたが・・・うん、やっぱりうちの娘は可愛い!
「ぱぱ、どう?」
「うん、可愛いよ。流石俺の娘だね」
頭を撫でながら不意にそんな言葉を出してしまうが・・・千鶴ちゃんは嬉しそうに「えへへ・・・」っと微笑んでいたのでいいだろう。
「お、ちーちゃん可愛い衣装だねぇ」
そんないつも通りのやり取りをしていると礼服を着た瑠美さんが千鶴ちゃんの姿を見てから写真を撮っていた。
「健斗くんは最後の制服姿だね。姉さんはどうなの?」
「遥香さんはいつも通りスーツで出掛けましたよ」
「姉さんらしいねぇ」
礼服よりもそっちの方が先生らしいので俺はむしろホッとした。でも、そうか今日卒業式なんだよね・・・
「それで?恵さんはいつ頃到着するか聞いてるの?」
「ギリギリになるそうです。着いたら連絡するそうですが・・・まあ、最悪後で合流出来ればいいので」
「ふーん、なるほど。婚姻届は卒業式の後で出しに行くんだよね?」
「はい。卒業式の最中は千鶴ちゃんのことお任せしちゃいますが・・・お願いします」
そうして頭を下げると瑠美さんは笑みを浮かべながら言った。
「もちろんだよ。にしても・・・本当に卒業するんだねぇ」
「まあ、単位も出席日数も足りてますからね」
「はは、健斗くんが留年は確かに考えられないね。そもそも今どき留年する人っているのかな?」
高校ではあんまり聞かないけど・・・まあ、いるかもしれないなぁ。その辺吉崎辺りは本当に卒業出来るのが奇跡のようにも思えるが。そんなことを話していると千鶴ちゃんが俺の袖を引っ張ってから何かを手渡してきた。
「ぱぱ。これ」
「ん?これは・・・花?コサージュかな?」
「うん。せんせいにおそわったの・・・おめでとうぱぱ」
「千鶴ちゃん・・・うん、ありがとう」
ギュッと千鶴ちゃんを抱きしめてから紙で出来たコサージュを大切にしまう。サプライズ過ぎるプレゼントだけど・・・本当に嬉しすぎる。
そうして朝から嬉しい出来事がありながら、千鶴ちゃんを瑠美さんに預けて、卒業式のために最後の通学をするのだった。父さんは卒業式前には会えなそうだけど・・・一応来てくれるのは嬉しいので楽しみにしておくことにする。
にしてもこんなに可愛いと千鶴ちゃん目立ちそうだけど・・・まあ、瑠美さんと父さんが上手くやってくれるだろうしきっと大丈夫だろう。




