405 親友
友
翌日、俺は雅人と2人で、久しぶりに遊びに出掛けた。昔行ったゲームセンターやら、暇つぶしをしてた喫茶店やら色々だ。そうして巡ってると、色々と昔のことを思い出して、話が膨らんでいくものだ。
「なあ、覚えてるか?初めてお前と話した時のこと」
そんな質問もそうした流れで出てきたものだけど・・・実のところ、俺は微妙に忘れていたので覚えてる範囲で答えた。
「保育園の頃だよね?確かトイレで女の子に無理矢理キスされてるところに遭遇したんだっけ?」
「違くはないがそこじゃない」
「そうだっけ?」
「確かにそれもあったが・・・1番初めは、俺が同じ組の連中にいじめられてるところを、お前がサラッと助けたんだよ」
・・・あれ?そんな出会い方だっけか?うん、大分忘れてるみたいだ。まあ、あの頃は母さんの記憶が強くてそれ以外のことは昔はかなり大雑把にしか覚えてないので否定は出来ないが・・・
「それからずっと、お前は俺の横で助けてくれたよな。女や人間関係のトラブルで、色々迷惑はかけたが・・・正直、お前がいたから助かった」
「そこまでのことはしてないよ。親友の手助けをしただけだからね」
「斉藤にしてもそうだ。中学時代、アイツがオタクってことでクラスメイトから嫌がらせされてるの穏便に助けられたのはお前くらいだろうからな」
なんか褒められてるけど・・・別にそこまで大したことはしてないんだよねぇ。ただ、仲良くなれそうだから友達になっただけだし・・・それに、俺は家族のために強く生きなきゃだったから、それに必死なだけだったしね。
「お前はいつもそうやってさりげなく助ける・・・だから、本当に困ったら頼れ。少なくとも俺や斉藤はお前の味方だし、親友だと思ってるからな」
「・・・ありがとう」
柄にもなく色々言う雅人をからかうか迷ったけど・・・珍しく真剣な表情を浮かべる雅人に、俺は素直な気持ちを告げた。
「この1年だけじゃなくて・・・雅人には色々助けて貰ったから。母さんやお祖母ちゃんが亡くなってからは特にね。だから・・・ありがとう」
この1年、先生との関係を支えてくれたのも雅人だし、それ以前も雅人や中条家には色々とお世話になったので素直にそう言った。本当にいつもなら恥ずかしい台詞ではあるかもしれないが・・・独身最後ということでせっかくだし親友と素直に語るのも悪くないだろう。
多分、雅人なりに俺が少しだけ先生との関係が変わることに寂しいと思ってるのを察してくれているからというのは考えすぎかもしれないが・・・それでも、それで少し安心したのは事実なので素直に感謝の念があるのだった。




