402 夜の宣言
宣言
「ちーちゃん、よく寝てるな」
遊園地での一世一代のプロポーズを終えてから・・・ホテルに戻るまでに限界を迎えた千鶴ちゃんをベットに寝かしつけると、そんなことを言う先生。
「今日は色々引っ張り回しましたからね」
「だな。まあでも私もちーちゃんも今日は本当に楽しかったよ。それに・・・お前からああいう言葉が聞けるとは思わなかったからな」
「遅くなってすみません」
「構わないさ。順序が少し違っただけだしな。にしても・・・観覧車でプロポーズとは相変わらず乙女だなぁ」
それのどこが乙女なのかと問い詰めたくなるが・・・まあいいか。
「なあ、健斗・・・抱きしめてくれないか?」
「はい、もちろんです」
真正面から先生を抱きしめる。相変わらずの柔らかさと温もりに安心していると、俺の腕の中で先生はポツリと呟いた。
「結婚したら・・・お前は私のこと呼び捨てにしてくれるのか?」
「お望みとあれば」
「敬語も捨てられるか?」
「善処します」
「むぅ・・・」
ふくれる先生も可愛いなぁと思いながら、俺は苦笑して言った。
「癖なのでもう少し待ってください。それに今、呼び捨てで呼んだり、敬語を捨てたら、その・・・俺的にも我慢出来そうにないんで」
別に具体的に何がどうとは言わないけど・・・それでも、なんとなく俺の中の先生への想いが溢れそうなので、抑えている。こうして抱きしめているだけで愛おしすぎて、本当に心からこの人のことが好きなのだと思う。
ベットに横になる千鶴ちゃんが娘として愛おしいなら、先生のことは異性として、女性として本当に大好きなのだ。だからつまり・・・俺の中のヘタレな俺が、ブレーキをかけてる部分を刺激しないようにしたいのだ。
「我慢か・・・お前が望むなら、この場で私のこと抱いてもいいんだぞ?」
「嬉しいですけど、千鶴ちゃん寝てますし」
「それだけが理由か?」
そう聞かれたので、俺は首を横に振って言った。
「細かいかもしれませんが・・・ちゃんと結婚してからがいいんです。高校の卒業式を終えて、生徒と教師の立場から離れてから・・・そして、婚姻届をきちんと出した後でないと、きっと納得出来ないと思います」
「お前がそれでいいならいいさ。だが、私はいつでもお前を受け入れるという事だけ覚えておけ」
「・・・ありがとうございます」
こんなヘタレな俺のことを寛容に受け入れてくれるのだから先生には感謝しかない。まあ、俺なんかの初めてなんて別に些細な事でしかないけど・・・まあ、先生と初めて結ばれるという事実には大きな意味があるのだ。そんな風にしてソフトなイチャイチャをして過ごすのだった。




