389 バレンタインデー当日
当日
2月14日。今日はバレンタインデー。毎年俺のバレンタインデーはある意味忙しい。何故なら・・・
「やった!巽くんチョコ貰い♪」
「巽ぃ!俺たちのためにありがとう!」
男子女子問わずにクラスメイトにチョコを配ると概ねそんな反応をされる。友チョコ感覚の女子からの声と女子から貰えない悲しみを埋めるために受け取る男子。うん、我ながら慈善活動が好きだねぇと思う。
「相変わらずの人気だな」
「これも今年で最後でござるなぁ」
毎年見飽きてる雅人と斉藤がそんな呟きをする。ちなみに雅人は雅人で登校日がバレンタインデーということもあり今年もかなりの数のチョコを貰って早くもお疲れだった。
「はい、雅人と斉藤にも」
「サンキュ」
「ありがとうでござる。にしてもバレンタインデーが登校日と重なるとは大変でござるな」
「かもね」
俺としてはこの慈善活動自体は大した手間ではないのだが・・・雅人みたいなモテモテ人種にはキツイ日なのだろう。まあ、雅人の場合チョコに何か混ぜられてる可能性もあるだろうしね。実際に前にあったからアイツは市販品しか食べないと自分で決めたそうだし。まあ、俺のは食べるのだが。
「そういや、これババアと薫からの今年の分だ」
「いつもありがとう」
巡李さんと薫ちゃんからのチョコを大切に受け取ってから鞄に仕舞うと雅人は苦笑して言った。
「薫のやつ、お前のところで作るのに俺を介して渡すとかな」
「まあ、薫ちゃんも忙しいだろうしね」
「遠慮したんだろ。アイツ的にも手遅れ感がありそうだしな」
なんのだよと思っていると斉藤がふと思い出したように言った。
「そういえば2人とも仮免合格おめでとうでござる」
「ありがとう。なんとかなったよ」
「ん。ま、思ったよか楽だったな」
「お祝いは言葉だけで十分そうでござるな。特にけんちゃんは」
家で先生や千鶴ちゃんから色々して貰ったのを見抜いたわけではないだろうけど・・・察したような斉藤の言葉に頷いてから言った。
「斉藤は終わったらバレンタインデートとか?」
「お家でまったりコースでござるよ」
「雅人は?」
「寝る」
「お疲れ様」
相変わらずの親友だが、バレンタインデーというのは本当に大変なのだろう。まあ、俺にもこの後若干大変なことが起こるのだが・・・そうとは知らずに帰ってから千鶴ちゃんと先生に渡すつもりのチョコにウキウキするのだった。ちなみに本気で作ったのは二人の分だけで後は例年通りある程度適当だったりするのは言わない方がいいかな?




