387 仮免合格
さらっと
「おにいちゃん!」
「おっと・・・よしよし」
仮免試験が終わり千鶴ちゃんを迎えに保育園に行くといつも通り出迎えてくれる千鶴ちゃん。本当に姿が見えたら飛んできてくれるので愛おしすぎる。
「おにいちゃん。おくるまどうだったの?」
「うん、大丈夫だよ。問題なく合格したから」
「そっか、よかったぁ」
嬉しそうに微笑む千鶴ちゃんをギュッと抱きしめていると近くでいつも通りの光景を見ていた千鶴ちゃんのクラスの先生が首を傾げて聞いてきた。
「お兄さん何かの試験だったんですか?」
「ええ、まあ。車の仮免試験をさっきまでやってまして」
「まあ!合格したんですね。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「でも、随分と遅いんですね。やっぱり進路とかあると大変そうですしねぇ・・・そういえばお兄さん進路はどうなさるんですか?」
その言葉に少しだけ逡巡してから微笑んで答えた。
「詳しくは言えませんが、実は結婚しようと思ってるんです」
「あらあら、微笑ましいお話ですね。お相手はやっぱり同級生ですか?卒業してすぐに結婚なんて大胆ですね」
「そのうち詳しくお話しますよ」
「でも、千鶴ちゃんも寂しくなりますね。お兄さんにこんなに懐いてるのにねぇ」
先生の角度的に千鶴ちゃんの顔は見えてないが・・・千鶴ちゃんは俺と先生の結婚+千鶴ちゃんとも本当の家族になるという図式を知ってるので緩む顔を抑えるのに必死なようだった。最近は家でもパパと呼ばれることが増えてきたので益々楽しみになってきているが・・・後少しで本当に家族になれるんだよね。
「黒羽さんもいい人が見つかるといいですねぇ」
「大丈夫だと思いますよ」
「ふふ、ですね。あれだけ輝いてる方ならきっと素敵な方がいらっしゃいますよね」
千鶴ちゃん満面の笑みだった。無意識に俺を褒められたようで嬉しいのだろう。にしてもなんだねこの可愛い生き物は・・・まあ、ぶっちゃけ俺の愛娘ですが何か?
にしても、教習所で緊張しながら試験を受けてきた後にこの至福のひとときは本当に心が休まっていいものだ。千鶴ちゃんの可愛さがあれば明日も頑張れそうだ。これで家で先生のお世話が出来ればなお頑張れる気がする。なんだかんだで先生に尽くす時も落ち着いてしまうのだ。
そうして先生としばらくコントのような会話をしてから千鶴ちゃんを抱えて家路につくが・・・とりあえず試験に合格した俺よりも千鶴ちゃんの方が何倍も嬉しそうにしてくれたのが1番嬉しかったりするのだった。




