382 懐かしのトーク
懐かし
「へー。じゃあ、毎年チョコ作り手伝って貰ってるんだ」
「はい。健斗くんお菓子作りも上手ですしね」
楽しそうに会話をする瑠美さんと薫ちゃん。流石にコミュ力が高い2人なだけあって知り合ってすぐに打ち解けているのは本当に凄いと思う。
「一応幼なじみってことになるんだよね?昔はなんて呼んでたの?」
「けん兄とか、お兄ちゃんって呼んでましたね。実の兄よりお兄ちゃんだったので」
「想像できるねぇ」
そういえば昔はそんな風に呼ばれてたかもしれないな。いつの間にか健斗くん呼びになってたけど。
「健斗くんは薫ちゃんのまま?」
「ええ。特に変える必要もなかったですし」
「健斗くん、昔から変わらずに私と兄に接してくれますしね」
「それはそうだよ。大切な友人だしね」
その言葉に薫ちゃんは少しだけ苦笑してから思い出すように言った。
「私も兄も両親の影響かそこそこ容姿に恵まれたせいで人間関係が凄く面倒だったんですけど、やっぱりそういう時に健斗くんがいると本当に心強いんです。あしらい方とか場の雰囲気を良くしてくれる存在って言えば分かりやすいですかね?」
「大袈裟だよ。俺は仲良くしたいから2人と話してただけだしね」
「ほら。こうやってナチュラルに良くしてくれるんですよ」
その言葉に深く頷く瑠美さんだけど・・・いやいや、実際問題そこまで大層なことはしてないはずだ。まあ、確かに雅人も薫ちゃんもイケメンと美少女だから寄ってくる人間は色々いたけど・・・まあ、俺も色々必死だったというか、家族を守るついでに友達にできる限り協力してたに過ぎないだろう。
「まあ、私達は健斗くんの弟の海斗くんにはそこまで好かれてなかったみたいだけど」
「海斗は人見知りが激しいからね」
決して交友関係は狭くないけど、俺が中条家に行くのはなんとなく気に入らないような雰囲気はあったみたいだ。まあ、料理を教わりたいし結局良く通ったものだけど・・・今でも苦手なのかな?
「あ、でも、来年からはこうやって来るのは遠慮した方がいいのかな?健斗くん人妻になっちゃうし」
「いや、人妻にはならないよ。結婚するだけだし」
「なんか健斗くんが結婚って実感わかないけど・・・でも、素敵な人が見つかって良かったね」
そうやって微笑む薫ちゃんだが、気のせいか少しだけ寂しそうにも見えた。やっぱり兄のような存在でも寂しいと思ってくれてるのかな?なんて、少し傲慢なことを考えてしまうけど・・・薫ちゃんが結婚したら妹が結婚したような気持ちになりそうだとも思った。




