380 突撃訪問
お久しぶりの
ピンポーン
「ん?」
それはとある平日のこと。学校に行かなくてもいい日で家事とペットの世話を満喫していた時に唐突にインターホンが鳴った。新聞の勧誘か何かと思ってドアを開けるとそこには何故か瑠美さんが笑顔で立っていた。
「やっほー。久しぶり健斗くん」
「お久しぶりです。突然どうしたんですか?」
特に来るとは聞いてないのでそう聞くと瑠美さんは少しだけ申し訳なさそうに言った。
「実は姉さん達には内緒で健斗くんにお願いしたいことがあるんだけど・・・大丈夫かな?」
「内容にもよりますが、とりあえず中に入ってください」
流石に寒いだろうし家の中にあげると瑠美さんは真っ先にハムスターのぷにゃのゲージと子猫のユキの存在を確認して目を輝かせて言った。
「お、ペット飼ったんだねぇ。可愛い♪」
「ええ、ハムスターは千鶴ちゃんへのプレゼントに。子猫は遥香さんが拾って来ました」
「へー、姉さんがねぇ」
ツンツンとユキに触ってから写真を撮る瑠美さん。可愛いものって反射的に撮りたくなるものだしね。
「私が実家で子犬拾ってきた時は姉さん、父さんと一緒に反対してたけどねぇ」
「そうなんですか?」
「姉さん犬はあんまり好きじゃないらしいしね。でも、ここペット可とはいえ、よく許可したね。お世話は基本的に健斗くん任せでしょ?」
そう言われるとまあ、否定はできないけど・・・
「ペットは千鶴ちゃんの教育にもいいですしね。何より遥香さんが拾ってきて飼いたいと言うならそれをサポートするのが俺の役目ですから」
「意外と健斗くん姉さんに甘いねぇ。当然といえば当然なのかな?」
「時には厳しくもしますよ。でも、お仕事で疲れてる遥香さんの癒しに少しでも役に立つならいいかと。何より若干とはいえ俺を家に縛り付ける名目もあるんだと思うと微笑ましいですから」
確信はないけど、先生の性格からして少なからずそういう思惑もありそうだということはある程度把握出来ていた。
浮気防止は俺の考えすぎかもしれないけど・・・もしそうなら、可愛い思惑だと思うしね。まあ、とはいえ別に浮気とかする気もそんな甲斐性もないので別段心配するようなことはなさそうだけど・・・心配する気持ちは分かるので素直に受け入れることにする。
「・・・健斗くんって意外と策士?」
「普通だと思いますよ。それで瑠美さんの要件はなんですか?」
「ああ、そうだね」
こほんと咳をしてから瑠美さんは俺を見ると頭を下げて言った。
「健斗くん。バレンタインデーのチョコの作り方教えてください」




