377 それが役目
おはよう
「おはよう・・・」
「あ、おはようございます」
ユキにミルクを与えていると先生が起きてくる時間になっていた。ユキを優しく毛布に包んでから早めにコーヒーを入れると先生は少しだけ申し訳なさそうに言った。
「すまん。もしかしてユキの世話で徹夜させたか?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと寝ましたから」
「何時間だ?」
「秘密です」
そう微笑むとため息をつく先生。まあ、自分から頼んだ手前注意出来ないのと、俺が何をしても受け入れているのだろう。
「少しくらいは私も手伝うぞ?」
「子育ての予行演習ですよ。やらせてください」
「あれは別に予行演習することないと思うが・・・」
子育てって本当に大変だしね。特に赤ちゃんの頃は毎日が大変だけどその分充実してる気はする。千鶴ちゃんも赤ちゃんの頃からお世話したかったけど・・・過ぎたことは仕方ないし、俺は今の千鶴ちゃんと接しられてるから大丈夫だ。
「やりたいんですよ。だって可愛い家族のためにお世話したいんですから」
「・・・本当に変わってるよな」
「そうですか?」
「主夫とイクメンって感じか?」
「イクメンは止めてください。子育てって夫婦のものですから」
「なら、私もユキの面倒見てもいいだろ?」
本当に先生には勝てないと思いつつも俺は苦笑して言った。
「じゃあ、暇なときは遊んであげてください。お仕事忙しいんですから、遥香さんはもっと俺に頼ってくれて全然いいんですしね」
「今でも十分頼ってるが・・・それなら、遠慮なく頼らせて貰うさ。ただし倒れるなよ?」
「わかってますよ」
何も自己犠牲の精神ではやってないのだ。俺だって自分の体調のコントロールくらいしてるし、ヤバい時は休む。まあ、それでも無理をすることはあるけど・・・許容範囲内だろう。
「なあ」
「なんですか?」
「お前は何か飼いたい動物いないのか?」
「そうですねぇ・・・カワウソですかね」
「なるほど。無理そうだな」
まあ、どのみち俺はユキとぷにゃの世話があるし千鶴ちゃんの面倒と先生のお世話もしたいしこれ以上増やす気はない。新しい子供とかなら頑張るけど・・・自分からペットを増やす気はないのだ。
「なら、早めにちーちゃんの弟か妹作らないとな」
「・・・朝から大胆ですね」
「私も割と我慢の限界だからな」
まあ、それは俺もだけど・・・本当にあと少しになってきてるしね。清い関係って心地よいけど、心のどこかで先生の全てを自分のものにしたいという欲求もあるので本当に我儘になったものだと自分でも呆れてしまうのだった。




