375 それぞれの名前
命名
「それでこの子名前はどうするんですか?」
ミルクを飲んでから暖かい毛布で子猫を包んで寝かしつけてから俺は先生にそう聞くと先生は少しだけ考えてから言った。
「白いしシロでいいだろ。もしくはチック」
「まんまですね」
どっちも見た目通りの名前だ。真っ白な子猫だからシロか、チック・・・まあ、要するに小さいからチックという名前。まあ、シンプルが1番いいかもしれないが・・・
「そういや、ちーちゃんのハムスターは名前決めたのか?」
ゲージの前で自分のハムスターを見つめている千鶴ちゃんにそう聞くと千鶴ちゃんはこくりと頷いて言った。
「うん、きめたよ。あのねあのね、『ぷにゃ』ってなまえだよ」
「ぷにゃ?」
「うん、ぷにゃ」
イマイチしっくり来ないのか首を傾げる先生。やがて俺に視線を向けてきたので苦笑して応えた。
「千鶴ちゃん的にはこの子がぷにゃって感じで可愛いからぷにゃだそうです」
「擬音系にしても不思議な名前だなぁ・・・我が娘ながらなかなか尖ったセンスしてるのもびっくりだ」
「まあ、食べ物の名前とか付けるよりは大分マシかと」
知り合いでペットに食べ物の名前を与えている人がいたけど・・・なかなかあれは凄かった。野菜や果物系なら可愛い感じもまだまだあるが、肉とか揚げ物の名前はちょっと狂気を感じたのは内緒だ。
「ぷにゃ♪ぷにゃ♪」
初日なのになんだか千鶴ちゃんに懐いてるようにゲージから千鶴ちゃんを見つめているハムスターのぷにゃ。というか、既にぷにゃって呼び方で反応してるので決定なのだろう。
「まあ、ぶっちゃけ名前はシンプルでいいんだが・・・私も娘を見習って擬音系で行くべきか?」
「なるべくなら子供に名前与える感覚でお願いします」
ペットだし名前は自由だけど・・・家族に変な名前をつけたらそれが一生その子の呼び方になるし出来れば初志貫徹して欲しいものだ。
「んじゃ、冬だし『ユキ』とかでいいか」
「まあ、無難かと」
「にゃー」
本人も納得したように鳴いたのでそれで決まりだろうか?にしても初日から動物に好かれてるこの親子は一体何なのだろうか・・・まあ、本人達の魅力が動物にも伝わった結果だろうか。
とりあえず実の子供にキラキラネームさえ付けなければ大丈夫だろうか?まあ、でも千鶴ちゃんという真っ当な前例もあるしきっと大丈夫だろう。キラキラネームって別に悪いとは思わないけど、やっぱりまだまだ抵抗がある世の中でもあるしね。
名前で虐められるとか有り得ない話じゃないだけに慎重にいかないとね。まあ、それさえも飲み込む強さがあれば構わないだうけどね。そうして本日から家族になった千鶴ちゃんのハムスターは『ぷにゃ』。先生の猫は『ユキ』と名前が決まったのだった。




