371 外食
お昼
「はんばーぐ、はんばーぐ♪」
嬉しそうに隣ではしゃぐ千鶴ちゃん。昼時だから混んでるかと思って近くの店に入ったが・・・思ったよりも人は少なく、長机に普通に座れたのだった。別に隣じゃなくてもいいのだが・・・千鶴ちゃん的には1人で座るのは寂しいらしいのでこうして向かいに荷物をおいて2人で並んで座っていた。
「お待たせしました。ハンバーグドリアです」
「きた!」
千鶴ちゃんが注文したのはハンバーグドリア。熱そうだが美味しそうなそれを嬉しそうに眺めてから千鶴ちゃんは俺をチラッと見てから聞いてきた。
「おにいちゃん、あのね・・・あーんしてたべさせてほしいの」
「うん、いいよ」
「ほんとに?やったー♪」
確かにこれをそのまま食べさせるのは若干不安だし食べさせてあげること自体はいいが・・・にしても、なんだか少しだけいつもより甘えてきてるような気がするのは気のせいかな?
「ふー、ふー。うん、大丈夫かな?はい、千鶴ちゃんあーん」
「あーん」
もぐもぐと美味しそうに食べてから幸せそうに笑みを浮かべる千鶴ちゃん。そうして何回か食べさせていると千鶴ちゃんはポツリと言った。
「えへへ、おにいちゃんひとりじめだぁ」
・・・もしかして、それが嬉しいのかな?先生に甘える分がなくなって俺オンリーだから、いつもより甘えてきているように感じるのかもしれないな。特に、外食で2人きりなんて、滅多にないしね。
にしても、本当に幸せそうに食べるものだ。普段から美味しそうに食べてくれる千鶴ちゃんと先生だけど・・・それを見る度に俺の好みって、こうやって美味しそうに食べてくれる人なのかもしれないと思うのだった。
「デザート何か食べる?」
「うーん・・・このぱふぇがいい」
「結構量多そうだけど、大丈夫?」
「おにいちゃんとはんぶんこしたいんだけど・・・だめかな?」
そんな可愛らしいお願いをしてくるのだから、俺も絶対にノーとは言わないのだった。甘やかしすぎとか言われるかもしれないけど・・・千鶴ちゃんは、そこら辺きちんと理解してお願いしてくるので大丈夫なのだ。
確かにいつもいつもこのペースでやってたら、甘やかしすぎに思われるかもだけど・・・この子の場合、本当にたまにこうして甘えてくるのでそれに応えないのは絶対に許されないだろう。なにより・・・
「ん〜、おいひい」
こんなに幸せそうに食べる、天使の笑みを曇らせたくはないのだ。過保護で激甘と言われるかもしれないけど・・・まあ、そこはきちんと弁えた上でやってるのでスルーでいいだろう。そんな感じで、千鶴ちゃんとお昼を食べるのだった。




