358 祖父と弟くん
再びの対面
「兄さん。あけましておめでとう」
「おお、健斗。あけましておめでとうじゃ」
玄関を開けると同時に出迎えてくれる海斗とお祖父ちゃん。思ってたより仲良く出来てそうで安心していると、後ろから出てきた遥香さんの姿を見て気まずそうにする海斗。
「確か千鶴ちゃんじゃったな。あけましておめでとう。ほれ、お年玉じゃ」
「あ、ありがとう・・・こざいます・・・」
「ほれ、健斗も」
「いや、俺は流石に受け取れないよ」
一方お祖父ちゃんは前ほどの勢いはなく普通に千鶴ちゃんにお年玉を渡して遥香さんにも挨拶をしていたのは結構びっくりしたけど・・・まあ、いいことかな?
「えっと、ごめん兄さん。ある程度惣菜は用意できたんだけど・・・何品か作ってくれると嬉しいな」
「ん、分かった。掃除は後でチェックするけど・・・千鶴ちゃんは俺の近くで遊んでる方がいいかな?」
「ん?ワシが面倒みるぞ?」
「それは・・・多分まだ早いかな」
前の鎧姿が地味に効いてるのか、それとも見た目の怖さがまだまだ強いのかいつも以上に人見知りを発揮している千鶴ちゃんを流石にお祖父ちゃんに任せる訳にはいかない。
恐らく海斗は先生と話したいのだろうし・・・ここで余計なことはしない方がいいだろうと思って千鶴ちゃんを抱っこしてから台所に向かう前に俺は海斗に近づくと頭を撫でて言った。
「あんま無理はしなくていいからね。どうなっても俺はお前の兄なんだしね。本当にダメな時は頼っていいから」
「・・・ありがとう、兄さん」
「うん。じゃあ、遥香さん。2人の面倒をお願いします。ちゃちゃっと作ってくるので」
「おう。任せた」
そうして頼んでから台所に向かうが・・・思ってたよりも食材が少なくて少し悩んでしまう。やっぱりもう少し料理とか教えておいた方が良かったかな?でもまあ、興味無いのにやらせても身につかないしね。
「おにいちゃん。これっていちまんえんだよね?」
・・・とりあえずお祖父ちゃんには後で説教が必要だろう。海斗と俺にも同じ金額渡そうとしてたはずだけど・・・千鶴ちゃんの年齢を考えて常識的にお願いするようにしよう。
というか、1万円札を千鶴ちゃんが今持つのは本当に危ないので、出来るだけくずした金額で渡しておくべきだろう。
今頃、遥香さんは海斗と話してるのだろうか?まあ、別に何かあるとは思わないけど、それでもなんとなく嫉妬心が浮かぶの俺は贅沢なのかな?身内でも嫉妬してしまうほどに独占欲が強くなっているなんてね・・・まあ、とりあえず今夜は先生を愛でようと決意するのだった。




