355 SAでのお昼
サービスエリアご飯
「どう千鶴ちゃん?」
食べたそうにしていたパンを選んで買ってから、食堂と併設されている席に座ってまず最初にクロワッサンを渡して食べたのをみてそう聞くと嬉しそうに頷く千鶴ちゃん。
「うん、おいしい」
「それは良かった。遥香さんのはもうすぐですかね?」
「だろうな。にしても案外家族連れ多いな」
「時期が時期ですからね」
周りの席も家族連れが大半で子供が結構いるけど・・・うん、やっぱりうちの嫁と娘が1番だよねと少しだけ内心誇らしく思っていると千鶴ちゃんが袖を引っ張ってきて言った。
「おにいちゃん。それなあに?」
「ん?ああ、あんぱんだよ」
「あんぱん?かおがとれるやつ?」
「まあ、あってるけど・・・うーんとね、あんこが入ってるパンなんだけど千鶴ちゃんは苦手かもしれないね」
和菓子系統では王道な餡だが・・・苦手な日本人も少なくないだろう。俺も少し前まで苦手だったしね。そんな風に思っていると千鶴ちゃんはじーっとあんぱんを見つめてから聞いてきた。
「おにいちゃん。あのね・・・すこしちょうだい」
「いいけど・・・大丈夫?」
「うん」
「じゃあ、はいどうぞ」
そうしてあんぱんを渡すと嬉しそうにパンを食べてから・・・少しだけ渋い顔をする千鶴ちゃん。そんな表情も可愛いけど俺はとりあえずお茶を差し出して言った。
「無理しないでパンの部分だけでもいいんだよ?」
「だいじょうぶ・・・」
苦手なものを食べたような表情でお茶を飲みほす千鶴ちゃんが可愛いなぁと思っているといつの間にか貰ってきたらしい先生のお昼のラーメンを食べながら先生は言った。
「珍しいな。お前があんぱんなんて」
「美味しそうだったのでつい買ったんですが・・・まあ、たまに食べるくらいで丁度いいですね」
「まあ、私はあんこがそこまで美味いとは思わんがな」
親子揃って味覚が似てそうで微笑ましくはなるよね。とりあえずお口直しにバターロールを差し出すとリスみたいに可愛く頬張る千鶴ちゃん。
「というか、お前はパンだけで足りるのか?」
「ええ。大丈夫ですよ」
元々千鶴ちゃんと先生にシェアするためだけに買ったので俺自身はそこまでお腹は空いてないのだが・・・まあ、千鶴ちゃんがお腹いっぱいになって万一残すことがあればそれは片付けるだろう。
とはいえ、千鶴ちゃんは割と自分の食べられる量を把握しているようなので心配はしてないが・・・まあ、それでも限界を超えても食べたいような時もありそうなので常に備えてはいる。
そうしてお昼は和やかに過ぎていくのだった。




