354 お土産の中身
確認
「出発前に何か貰ったのか?」
先生の実家から出発して少しして、先生がふとそんなことを聞いてくる。角度的にやり取りが見えてなかったようなので俺は素直に答えることにした。
「お義父さんから、メモ帳とボールペンを貰いました。メモ帳は昔遥香さんが贈った物だそうです」
「んー・・・そんなこともあったか?」
「これです。覚えてませんか?」
実物をチラッと見てから先生は少し考えてから言った。
「渡したかもだが、結構昔だからあやふやだな。にしても、まだそんな物もってるとはな」
「それだけ愛されてるんですよ」
「どうだかな。大方仕舞いこんでたものを今更見つけたんだろうな。ま、お前が使ってくれるなら良しとするか」
そんな話をしているとタイミング良くサービスエリアに着いて車を停める先生。恐らくコーヒーでも買うのだろうと思っていると先生は思い出したように聞いてきた。
「どうする?ちーちゃんも起きてるしたまにはサービスエリアで食べてくか?」
「それもいいかもですね。千鶴ちゃんはお腹空いてる?」
時間的にはそろそろお昼時になるのでそう聞くとこくりと頷いて言った。
「ちーね、ぱんがたべたい」
「パンか・・・うん、分かった」
幸いパン屋が中にあるのでそこで買えばいいだろう。俺も千鶴ちゃんに合わせてパンにするか?それとも何か千鶴ちゃんや先生が食べれそうなものを買って2人にシェア出来るようにするか悩み所だけど・・・とりあえずメニューを見てかな。
「まだ時間は大丈夫だよな?」
「ええ。お祖父ちゃんには夕方頃になりそうだと伝えてるので」
挨拶回りで一応巽家の本家にも行くことにはなってはいるけど・・・今回は海斗が積極的に動いてくれてるみたいので俺はのんびりと行けそうだ。海斗もお祖父ちゃんは苦手なはずだが・・・まあ、きっと海斗なりに気を使ってくれているのだろう。
まあ、きっと母さんのお墓参りには今回も行かないのだろうけど・・・それはいずれ向き合ってくれたら嬉しいかな。
「と、そういえば小倉亭にも寄らないとな。いちご大福買って・・・あと、ジンジャーエールだったな」
「ですね」
何故か教えてないはずのことを知ってるのだから、初夢で母さんが出てきたのはあながち嘘でもなさそうだろう。まあ、別に最初から疑ってはないけど・・・
「あ、でも新年で店やってるのか?」
「大丈夫ですよ。あそこは基本的に年中無休ですから」
「そうなのか?」
「そうなんです」
地元の人がかなりの頻度で通ってるくらい人気のある店だし、店主も仕事大好きな人なので心配はしてない。前回は俺だけで行ったけど・・・今回は先生と千鶴ちゃんも着いてきそうだなぁとちょっと嬉しくなるのだった。




