350 お風呂の間に
お風呂
「健斗くん。少しいいかい?」
千鶴ちゃんをお風呂に入れに行った女性陣が去ってからそう言ってくるお義父さん。お風呂に大人3人の子供1人は普通に狭そうだが・・・結構この家はお風呂が大きいので地味に入れてしまうのが恐ろしいところだ。お風呂の設計だけ本当に何故かおかしいのだが・・・まあ、それはともかく真面目そうな雰囲気に近くで飲んでいた楓太さんが立ち上がろうとする前にお義父さんは言った。
「卒業まで残り少なくなったが・・・気持ちは変わらないかな?」
「もちろんです。俺は遥香さんを1人の女性として愛してます。それに千鶴ちゃんも本当の娘だと思ってます」
「それならいいんだ。私としてもちーちゃんが君のことをパパと呼んだのには驚きはしたが嬉しくもあった」
チラッと楓太さんを見てからお義父さんは言った。
「楓太くんの時も私は娘を託すのが心配ではあったが・・・楓太くんはきちんと瑠美のことを貰ってくれた」
「恐縮です」
「君が和也くんみたいになるとは思ってないが・・・それでも、私は和也くんの時のことを踏まえてしつこく聞きたいんだよ」
まあ、娘の幸せのために口を出すのは仕方ないと思うので俺は頷いて言った。
「何度聞かれても答えは変わりません。俺は遥香さんのことが大好きです。愛してます。千鶴ちゃんのことも親として愛してます」
真っ直ぐにお義父さんを見つめてそう言うとお義父さんはふと表情を柔らかくしてから言った。
「本当に君は真っ直ぐだな」
「そうでしょうか?」
「楓太くんなんて恥ずかしそうにして答えていたからね」
「それはまあ・・・流石に照れますから」
そう苦笑する楓太さん。そんな楓太さんに微笑んでからお義父さんは俺に頭を下げて言った。
「君を信じるよ。遥香とちーちゃんのことをよろしく頼む」
「・・・お任せを。2人は必ず幸せにしてみせます」
「君も幸せになれるようにしないとダメだぞ?」
「ご心配なく。俺は2人と居られればそれだけで幸せですので」
その言葉に微笑んでから再び飲みを再開するお義父さん。もしかして少し酔ってた部分もあるのかな?まあ、だとしても何度聞かれても答えは同じだしむしろ変わるとしても前向きな意味でしか好転しないだろうしね。
俺は先生と千鶴ちゃんのことが大好きだし、2人の側にいて幸せにしたいのだ。まあ、それに俺は2人の側にいるだけで本当に幸せなので後は2人が幸せになってくれるように全力を尽くすだけだろう。
楓太さんもお義父さんが酔ってるのに気づいたのか苦笑していたが・・・意外と楓太さんてお酒強いのかな?とも思ったのだった。




