349 飲みの席にて
飲み
「はい、千鶴ちゃん」
「ありがとう、おにいちゃん」
おせち料理から食べられそうなものを取って渡す。流石に苦手なものも多いから千鶴ちゃん用にいくつか別に作ってはいるが・・・せっかくなら同じものも少しは食べて貰いたいのだ。
「遥香さん。どうぞ」
「ん、サンキューな」
お酒がきれそうだったのでお酌をすると近くで見ていた瑠美さんが微笑んで言った。
「もう、すっかり夫婦って感じだねぇ」
「まあな。もう健斗無しでは生きられないだろうな」
「夫婦円満はいいことだね。まあ、うちも負けてないかな?」
「・・・僕にふるところかな?」
丁度楓太さんのグラスも空になりそうなのでお酌をすると楓太さんは苦笑して言った。
「ありがとう健斗くん。健斗くんも少しは食べたら?僕達は気にしなくていいから」
「すみません。どうしてもやりたくて・・・ちゃんと食べてますので大丈夫ですよ」
「ま、病気みたいなものだしな」
こういう席だと動いてないと不安になるのだ。まあ、千鶴ちゃんと先生メインで他はついでになってるけど・・・そこはスルーで。
「そういえば健斗くんは車は買うのかな?」
「いえ、まだそこまで買おうとは思ってませんが・・・」
「近くだったら僕の店舗にでも来てもらえば色々融通出来そうなんだけどね」
「もしかして楓太さんって車のディーラーなんですか?」
「そうだよ。まあ、車買う時は相談してよ。色々アドバイスは出来るからさ」
なんというか、イメージと違ったが・・・まあ、知り合いにディーラーいるのはいいことかもしれないな。
「健斗くん、健斗くん。卒業式は私出ちゃダメ?」
「瑠美、流石にそれは自重しないと」
「えー、だって制服健斗くんの最後なんだよ?」
「あの・・・どのみち卒業式の時は千鶴ちゃんの面倒お任せしちゃう事になりそうなんですが・・・」
「全然OKだよー」
「いつもすみません。楓太さんもいつも瑠美さんをお借りしてすみません」
そう謝ると楓太さんは苦笑して言った。
「むしろ瑠美が迷惑かけてすまないね」
「いえ、千鶴ちゃんも懐いてますから本当に助かります」
「だといいけど。迷惑な時は言ってくれれば止めるから」
「とか言って仕事に夢中で忘れるくせに」
その言葉に気まずそうに視線を逸らす楓太さんと先生。楓太さんも仕事大好き人間なのかな?まあ、仕事が楽しいに越したことはないしね。そういう人は本当に極少数だから、羨ましいと共に同時に支えたくもなるんだよね。
そんな先生だから俺も好きなんだし・・・これからも先生にはやりたい事を楽しくやって貰いたいのだ。




