345 瑠美さんの旦那さん
登場
「けんちゃん、ちーちゃんあけおめ〜♪」
先生の実家の玄関を開けるとすぐに出迎えてくれたお義母さん。相変わらずのテンションに苦笑していると後ろから見覚えのない眼鏡の男性が出てきた。
「お義母さん。もしかして彼が・・・」
「そう、けんちゃんよ〜。私の可愛い娘婿♪」
「そうですか・・・えっと、義姉さんお久しぶりです。それに千鶴ちゃんは産まれた時以来かな?それと・・・初めまして健斗くん。僕は瑠美の旦那の楓太と言います」
そうして優しく微笑んでから握手を求めてきた男性・・・楓太さんに俺も応えるように握手をしてから自己紹介をする。
「巽健斗です。えっと・・・瑠美さんにはいつもお世話になっております」
「いやいや、こちらこそ瑠美が色々面倒かけてすまないね。事情はある程度瑠美から聞いてるけど・・・結婚前にこうして会えたのは良かったよ」
優しく微笑む楓太さん。なんだか波長が合うなぁと思っていると後ろから出てきた瑠美さんがポツリと言った。
「気をつけてねぇ、旦那は男もいけるから」
「え?」
「昔の話だよ。うっかり女装した男性に一目惚れしたことをネタにされてるんだ」
そう苦笑する楓太さん。・・・なんか家の父親がチラついたけど気のせいだ。似たような話はよくあるしね。
「健斗くんの女装写真可愛いって言ってたくせに?」
「うん、瑠美なんでそこでそんなことを言うかな」
「にっしっしー♪だって、面白いでしょ?その証拠に姉さんが殺意向けてきてるし」
「誤解なんだけどなぁ・・・あの、義姉さん。僕は瑠美一筋なのでそんなに警戒して健斗くん守らなくても大丈夫ですよ?」
俺と千鶴ちゃんの前に立って殺気立つ先生にそう言う楓太さん。まあ、見た感じその手の趣味とかではなく、単にネタにされてるだけだろうと察することは出来た。
「やっほー、ちーちゃんあけおめ〜」
「あ、あけおめ・・・」
当の瑠美さんは達成感のある笑みを浮かべながら千鶴ちゃんに挨拶をしていた。旦那さんである楓太さんをからかって楽しんでいるのだろうね。なんとも夫婦仲は良さそうで少しホッとするが・・・とりあえず千鶴ちゃんの前では出来れば略さずに新年の挨拶をして欲しいものだとしみじみ思う。
「ふふ、遥香ちゃんは過保護ねぇ〜」
見慣れてるのかいつも通りなお義母さんは本当にある意味凄いと思う。まあ、とりあえず楓太さんはいい人そうだし、その手の趣味も多分ないから仲良く出来るかな?瑠美さんも楓太さんをからかう時の笑みは本当に楽しそうだしね。そうして俺は新年一発目に瑠美さんの旦那さんに会うのだった。




